予備試験を独学・1年で受験してみた

非法学部生が独学・1年未満で予備試験に合格した記録(問題集絶対主義)/73期弁護士

予備試験合格者と法科大学院出身者の比較ー弁護士になった後の満足度

日本弁護士連合会が発行する「自由と正義」の2021年7月1日発行(臨時増刊号)第72巻第8号(以下「本誌」という。)のテーマは、

弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査報告書2020

でした。

 

本誌の192〜194頁において、法科大学院出身者・予備試験合格者の特徴」という切り口で両者の弁護士という職に対する満足度等の比較がされていたので、

一部をご紹介しつつ、調査結果に対する個人的考察をしてみます。

 

以前出した記事とも内容が被る箇所があるかもしれませんが、こ勘弁願います。

shihounoinu.hatenablog.com

 

 

調査結果の引用(本誌193〜194頁)

法科大学院出身者の仕事の状況

⑴弁護士業務

40代以下・法科大学院出身者の弁護士では、

・債権回収

・交通事故

債務整理

の各業務に「多くの時間を使った」と回答した人の割合が、それ以外の回答者よりも多かったとのことです。

逆に、

・企業法務

に「多くの時間を使った」と回答した人の割合は、それ以外の回答者よりも低かったとのことです。

⑵満足度

法科大学院出身者は、

・「社会的意義のある仕事ができること」への満足度が、他の回答者よりも低い

・「自分の裁量で自律的に仕事ができること」への満足度が、他の回答者よりも低い

・「男性も女性も平等に仕事ができること」への満足度が、他の回答者よりも低い

・「弁護士としての自分の将来性」への満足度は、統計的に有意な差は見られなかったが、法科大学院出身者の満足度がわずかに低いという程度

という結果が出ました。

予備試験合格者の特徴と仕事の状況*1

⑴弁護士業務

予備試験合格者は、

・知的財産

・企業法務

の分野を業務としている回答者の割合が、予備試験合格者以外のグループと比べて高いとのことです。

逆に、

・家族

の分野を業務の内容とする回答者の割合は低かったとのことです。

⑵満足度

予備試験合格者は、

・「自分の裁量で自律的に仕事ができること」に対する満足度が、他のグループと比較してかなり低い

・「弁護士としての自分の将来」に対する満足度は、他のグループよりもやや高い

 という結果が出ました。

 

この調査結果に対する、司法の犬の実体験に基づいた偏見まじりの主観的分析

業務分野について

以上のように、法科大学院出身者は「一般民事」業務を扱い、予備試験合格者は「企業法務」を扱う人の割合が多いという結果になっています。

これは修習時代の同期の経歴及び就職先事務所の取扱業務と照らし合わせても、よく当てはまっています。

以下、僕の修習期である73期の弁護士を具体例としながら、深堀りしていきます。

⑴予備試験合格者の就職先と業務分野

僕は修習期間中、「予備試験合格者の修習生であって、修習開始時点で25歳以下の人」と十数名会いましたが、全員企業法務専門の事務所(大半が四大法律事務所*2でした)に行っており、一般民事を扱う事務所に行く人はひとりもいませんでした。

ちなみに僕は修習開始時点で23歳でしたが、企業法務を専門とする事務所に就職しています。

一方、予備試験合格者の修習生であっても社会人経験等を経て30代後半、40代又はそれ以上という人たちは、一般民事とインハウスが主流で、非常に少数ながら即独*3もいました。

法科大学院出身者の就職先と業務分野

一方、法科大学院出身者は、その年齢・経歴によって大分様相が異なっていたと思います。

東大法科大学院、一橋法科大学院慶應法科大学院などの上位校出身者で、司法試験を1回目の受験で合格した人々のうち、修習時点で25~26歳の人たちは、

その多くが四大法律事務所をはじめとする企業法務の法律事務所に行っていました。

ただ、あえて企業法務を避け、一般民事の事務所にいく人も少数ながらいました。

一方、

・複数回受験、とくに司法試験3回目以上の受験で合格した法科大学院出身者

・修習時点で30代後半、40代又はそれ以上の年齢の法科大学院出身者

に関しては、企業法務の事務所へ行く人は極めて少なくなり、ほとんどが一般民事又はインハウスへ行っていました。また、こちらも非常に少数ですが即独する人がいました。

しかしながら、このような人たちの中でも、ある外国語についてネイティブスピーカーである人や、省庁勤務など特殊な経歴を持っていた人は、名門といえる企業法務事務所に就職していました。

極めて少数かつ特殊な例ですので、あまり参考にならないかもしれませんが…

満足度について

まず、法科大学院出身者及び予備試験合格者の両者とも共通して、

「自分の裁量で自律的に仕事ができること」

への満足度が低いという結果が出ています。

これは、今アソシエイトの人が多く、パートナーから指示を受けて仕事をするような下働き的な働き方をしていることが原因ではないかと思います。

法科大学院出身者は60期以降、予備試験合格者は66期以降であり、法曹界では若手と位置づけられる部類です。アソシエイトがパートナーになるまでには10年程度を要する事務所が多いようですので*4法科大学院出身者及び予備試験合格者の大部分は未だアソシエイトだろうと思います。

なお、本誌の150頁によると、

「自分の裁量で自律的に仕事ができること」に対する満足度は、

弁護士全体で80.7%が「満足」と回答していますが、

そのうち、

経営に携わる弁護士の89.4%が「満足」と回答する一方で、

経営に携わらない弁護士で「満足」と回答する割合が74.8%に留まることからも、

上記の考察を裏付けるのではないかと思います。

僕の個人的感想としては、両者とも年次を重ねてパートナーになったり、独立してボス弁になったりすれば、「自分の裁量で自律的に仕事ができること」への満足度は上がるのではないかと思います。

修習中、弁護修習で担当弁護士だった60期の弁護士も「独立してからは裁量が持てて楽しい」と仰っていましたし、僕の所属事務所の61期のパートナー弁護士も「パートナーになって以降は、アソシエイトの頃より裁量があって楽しい」と言っていました。

要は、「自分の裁量で自律的に仕事ができること」への満足度については、法科大学院出身者か予備試験合格者かという問題ではなく、

経営者弁護士か勤務弁護士かという問題に尽きるのではないかというのが僕の考察です。

なので、年次を重ねて経営者側へ回る人が増えるにつれて、法科大学院出身者・予備試験合格者の両者とも「自分の裁量で自律的に仕事ができること」への満足度は高まっていくだろうと思います。

 

 

次に、法科大学院出身者と予備試験合格者で明暗が分かれた「弁護士としての自分の将来」に対する満足度についてです。

以下、本記事の中でも特に個人的な感想になりますが、

修習中に会った、予備試験合格者の修習生であって修習開始時点で25歳以下の人は、勝ち組意識が強い人が多かったです(笑)

という冗談は置いておいてですね…

修習中、複数の弁護士と会って話を聞きましたが、その中で、

弁護士の数が増えて競争が激しくなっている昨今、多くの人がやっている一般民事業務は、特に差別化するものがなければ今後もさらに厳しくなって行くだろう

という声が聞かれました。

例えば、債務整理、離婚、相続、交通事故…等は業務の内容が一般化されていて、大体の手順や作業内容が決まっているため、差別化が難しく、また、参入障壁が低いそうです。

一般民事分野は、需要は一定であるものの供給が増えているというのが実態ではないでしょうか

他方で企業法務、例えば知的財産、海外M&A、競争法など専門性の高い分野は、扱える事務所が限られているため、一般民事ほどは競争が激しくないだろうなあ…と、企業法務の分野に身を置いている者として内側から感じます。

企業法務分野は、需要は一定でありながらも供給も一定であり、また、専門性等の参入障壁の高さから供給が急激に増える見込みも特にないというのが実情だと思います

四大法律事務所なんかが典型例だと思います。

以上のような理由から、一般民事に従事する割合が多い法科大学院出身者は将来を悲観し、企業法務を扱う予備試験合格者は将来を楽観視しているのではないかな、と思います。

 

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当ブログでは、

⑴ネット予備校の利用 

⑵正しい勉強法で勉強すること

⑶精神的に頑張りすぎないこと

をお勧めしています。 

 

⑴についての記事 

shihounoinu.hatenablog.com

⑵についての記事 

shihounoinu.hatenablog.com

⑶についての記事ー下記記事中、「2.基本方針」の「③自分に無理をさせないこと」

shihounoinu.hatenablog.com

 

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*1:今回の調査では予備試験合格者の回答数が30と、サンプル数が極めて少なかったそうです。

*2:西村あさひ法律事務所、森・濱田松本法律事務所、 長島・大野・常松法律事務所、 アンダーソン・毛利・友常法律事務所の総称

*3:修習の修了と同時に、どこの事務所へも就職せず、独立開業すること

*4:僕の所属事務所も同様です

僕が今から2022年の予備試験合格を目指すとしたら〜勉強計画シミュレーション〜

(9/10追記・注意書き)

この記事をアップロードした時点でさえ、スケジュール的にかなりキツキツのシミュレーションでした。

今から2022年の予備試験合格を目指すことは時間的にかなりの困難が伴うと思いますので、推奨はしません(もちろん個人の自由であり、また、個人により能力差はありますので、自己の自由な意思により2022年合格を目指すことは否定しませんが)。

 

超長文記事になりました。すみません。

外野からの「僕だったらこうするかな〜」というお気楽なシミュレーションです。

この通り勉強したからといって合格が保証されるわけではありませんので悪しからず。何においても個人差はありますからね。

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そういえば弁護士バッジの写真出してなかったですね。

 

僕についての自己紹介

僕は1996年度/平成8年度生まれの、2018年予備試験合格者/2019年司法試験合格者で、73期司法修習を経て、今は新人弁護士として細々と業務に励んでおります。

法学部法律学科の出身ではなく、大学時代は経済学、認知心理学社会心理学社会学政治学などを学習しておりましたが、2017年(大3)の夏休みの幕開け(今くらいの時期ですね)と同時に予備試験の学習を独学で開始しました。

学習開始当初から翌2018年の予備試験合格を目指していたものの、最後まで合格できるかは半信半疑でした。

結果的に運良く、目標どおり2018年の予備試験に合格できました。

予備試験・司法試験を受験・合格など一通り経験し終わると「あの時もっとああすればな〜」という後悔の念が湧いてくることがあります。

受験生時代は、受験生としてのリアルタイムな情報を配信していましたが、

現在は予備試験・司法試験の経験者として一歩引いた目線から、過去の自分に向けて「あの頃の俺、こういう風にしとけばよかったんじゃないの?」ということをテーマにブログを(何とか)更新し続けています。

 

基本方針

このブログでの3原則は、

①正しい方法を取ること=ネット予備校を利用すること

②正しい勉強方法を取ること

③自分に無理をさせないこと

です。

 

①正しい方法を取ること=ネット予備校を利用すること

 

まず、過去の自分に質問したいことがあります。

「寿命が来て死ぬときに後悔することは、若い時に時間をケチって金を払うことか、金をケチって時間を失うことか?」

僕は、今だったら「金をケチって時間を失うことの方が嫌だ」と即答します。

若い時にお金を少し失っても、その後の人生でそのお金は取り戻せる可能性は十分残されていますが(でも借金は良くないと思う)、

若い時に時間を失うと、時間とくに若い時の時間は絶対に取り戻せないからです。

しかし、予備試験受験時代は「金をケチって時間を失う」ことをしていました。

独学です。

予備校に通えば、教材、勉強の方法や順序、勉強範囲の指定、理解を助ける噛み砕いた説明…など、時間を節約し、また、合格可能性を上げてくれるものが揃っています。

僕は独学で運良く合格したラッキーボーイだから良かったようなものの(周囲、インターン先の法律事務所、ネットなど色んなところで「まぐれ」「運が良かったね」と言われ、僕自身もそう思ってます)、

もし1回目の受験で合格できず、2回目、3回目…と合格が長引き、その分弁護士としてデビューするのが遅れたら、1年・2年という時間を失うことはもちろん、(弁護士としての年収)× (合格が遅れた年数分)のお金も結果的に失うことになる…と想像すると、ちょっと怖いです。

資格試験を含めて世の中は確率の勝負だと思っていますが、早期の合格可能性を上げる予備校利用という選択をせず、独学を選んだ2017年当時の僕は愚かだったと思います。

 

②正しい勉強方法を取ること

また、予備試験受験時代は、科学的に正しい勉強方法を知りませんでした。

図書館に行って効率的勉強法と書かれた本を十数冊は読み、参考にしました。

しかし、『7回読み勉強法』など、冷静になって思い返すと、高学歴の著者の個人的な勉強法で万人にとってその効果が証明されたやり方ではありませんでした。

司法試験時代の受験勉強では、心理学者による科学的に証明された(≒ほぼ万人に効果的な)勉強法を知ることができ、これを取り入れました。

おかげで、勉強時間は予備試験時代と変わらない(直前期等はむしろ少なくなった)にもかかわらず、記憶の定着が良くなったような感覚が得られ、予備試験の時よりは自信をもって試験本番に臨めました。

なお、僕が今でも取り入れている勉強法は、主に以下の2冊です。

これらは必読として、可能な限り早く導入することをお勧めします。

 

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 上記2冊の概略は、こちらの記事に書いてあります。

司法試験の勉強法最新版 - 予備試験を独学・1年で受験してみた

③自分に無理をさせないこと

僕は、予備試験及び司法試験時代、3人兄弟の長男で両親が定年間際、兄弟2人は私立学校に通っているという状況でした。

そこで、予備試験の受験年であった2018年(大4)では、予備試験に受からずに浪人などできない…などと考え、予備試験の受験と並行して民間企業及び公務員の就職活動をしていました。

予備試験の短答試験(5月)前に複数社(含:国家公務員総合職及び裁判所職員等の公務員試験)受験、

短答試験〜論文試験(7月)で5社以上(含:公務員試験)

論文試験終了後も複数社受験(同上)

…と鬼のスケジュールをこなしていました。

 

f:id:SHIHOUnoINU:20181110205207j:plain

20181110 予備試験、独学・1年合格の勉強法【リクエスト】 司法の犬の勉強日記より一部抜粋

 

予備試験の片手間でやっているわけなので、身が入らずただ時間を無駄にしていたのですが、当時の僕としては、

「予備試験に合格できなかったら、しばらく無職になるから、どっかの企業の内定は持っておきたい…」という無駄なプレッシャーを抱えていました。

逆に、予備試験の勉強をしているときは、「どこ企業の内定も持っていないから、予備試験に受からないと後がない…」と自分を精神的に追い込んでいました(勉強時間量では追い込めませんでした笑)。

精神的に無理をしないことは大事です。

…ということに、精神的に追い込まれ切った予備試験論文試験終了後に、この本を読んで気づけました。

金閣寺銀閣寺の住職が教える 人生は引き算で豊かになる』【Amazon】【楽天

※上記勉強法の本と違い、科学的にその効果が証明されているわけではないと思います

 

また、2018年の僕は予備試験の勉強、一般企業への就職活動等上記のようにスケジュールをギチギチに詰め込み、かなり無理をしていましたが、

このような無理は目標の達成を阻害しかねないということが科学的に証明されたということを後になって知りました。

皆さんは計画に余裕を持たせましょう。

 

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シミュレーション:2021年の夏休み始めから2022年の予備試験合格を目指すとしたら、司法の犬はどうする?

前提:大学生、無職又は労働時間が非常に短い

理由:時間があるからです。

現在僕はフルタイム労働者(のようなもの)ですが、フルタイムで仕事をしている状況で、1年未満の合格は僕だったら気分的に(疲れているので)無理です。

できる人もいるかもしれませんが、僕だったら無理です。

 

まず、7月下旬から9月20日頃まで大学は夏休みになります。

多少の増減はあるでしょうが夏休みは合計60日と仮定します。

通学、授業、テスト勉強…全部ありません。

 

まず、僕だったら即座にアガルートアカデミーを受講します。

2022年合格を目指すのであれば、この時期に予備校選びに時間をかけている余裕はありません。

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アガルートにする理由は、僕が大学生と仮定すると以下のようになると思います。

・ネット予備校である→自分のペースで進められる、実店舗予備校より安い、通学不要

HPに「司法試験の合格者占有率44.8%」の記載があり(記事作成時点)、全く知識がなくどの予備校が良いかわからない状態で、安心感がある

・先輩(73期等)に出身者の知り合いが複数名いる

 

選ぶ講座は、僕なら予備試験1年合格カリキュラム(オプションなし)にします

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 理由は、

試験までの残り時間がない中でどのようなアプローチで行くか迷っている暇はなく、予備校のフルコースに乗っかって勉強(理解作業と記憶作業)に集中するのが合理的

・基礎講座、問題演習講座、過去問講座と、内容が必要最低限かつ十分に揃っている。

・オプションなしでも100通もの添削をしてもらえる(そして経験上、多分そんなにしてもらわないと思う)

・僕だったらオプションの通信指導とかラウンジ指導とか要らないし、進捗管理は自分でできる(自制心の問題では…?)

・答案指導はあればありがたいけれど、問題演習講座及び過去問講座で扱った問題を繰り返し解くことで十分足りるのではないかと思う

 

また、方針としては、「概観を把握してから細部を把握する」方が頭に残りやすいこと、及び予備試験は論文試験が難関とされていることなどから、論文試験の勉強を優先して行うこととすると思います。

 

問題集について

問題集をどうするかについては、以前にもブログで書いたことがありますが、

予備校に通う人の場合は、以下のようにするのが良いのではないかというのが僕の考えです。

・予備校の問題集に論点網羅性がある*1のであれば、市販の問題集は使わず、予備校の問題集のみを使用します。なお、アガルートの重要問題習得講座には網羅性がありました。

・予備校で問題集がない場合、論点網羅性がある問題集を1冊のみ購入し、それを繰り返し解きます。

 

~2021年9月15日:総合講義300、選択科目講座の総合講義部分及び論文答案の「書き方」を全て視聴する。 

アガルートの上記HPでは、上記講義の視聴は12月までを目標としていますが、

僕は正直このペース感は遅いんじゃないかな〜と個人的に思います。

なんだかんだ試験が近くなると、「あれが終わっていない」「これもまだだ」となるのが通常だと思いますので、予定は早め早めで前倒しするくらいが丁度良いのではないかと思います。

僕が司法試験受験生の時代に、資格スクエアの加藤講師のブログを拝見したことがあり、そこには

「途中答案(試験終了までに答案を書ききれない)になる人は、焦るのが遅い。」

「もっと早い段階からペースを上げて書いていれば、途中答案になりにくい。」

旨が書かれており、これは確かにな〜と思いました。

そして個人的には、これは試験当日の話に限定されず資格試験の受験計画でも同じなんじゃないかな〜と今でも思っています。

見出しの通りのペースで視聴したとしても、

310時間程度(上記3講座の合計時間)/50日=6.2時間/日

と決して無理な数字ではありません。

もう少し早めに視聴を完了することも十分ありえるレベルです。

 

また、上記講座とは別に、短答問題集である『肢別本』(辰巳法律研究所)を勉強の初期にのみ使用する目的で購入します。

この問題集は、入浴中の浴槽内、トイレの中、通学時間中、就寝前の10分など(以下、「スキマ時間」といいます)に、視聴した講義の範囲に相当する短答問題を頭の中で(つまり、書かない)軽く解いて、問題を解くことで基本問題についての記憶を定着させます。

なぜ『肢別本』かというと、一問一答形式である(本番の短答試験は一問一答ではありません。)ため、多肢選択型(5つの選択肢から1つの正解を選ぶ等)に比べて、一つ一つの問題に対する注意が払われると思うからです。

なお、勉強の初期に基礎知識を定着させる目的のみに使用するので、★マーク付きの問題集のみを解きます。

 

この期間が踏ん張り所だと僕は考えています。

~2021年10月31日:重要問題習得講座の視聴を完了する

65時間程度ではありますが、大学があり、予習があり(頭の中で一応回答or紙に論点及び論証と当てはめの大枠だけ書いて回答→講義視聴)、復習があり、わからない箇所を基礎講座(総合講義300)テキストで確認する作業があり…ということを考えると、1周目の終了はある程度余裕を持たせて見積もりました。

もちろん、余裕があれば前倒しすることも考えられます。

この期間もスキマ時間には、重要問題習得講座の問題を回答を紙に書かず頭の中で(以下、断りない限り同じ)解き直します。もちろん、問題演習の際は解説を読み、解説を読んでもわからなければ総合講義300のテキストを参照したりします(以下、問題演習の際は同様)。

 

また、この期間から並行して、選択科目の問題集を解き始めます。

僕は司法試験で労働法選択だったので、労働法のことしか知りませんが、

労働法なら論点の網羅性が高い『事例演習労働法』を使用します。

僕は「どんな問題が来ても一定水準の答案を作る(そうすれば受かる)」ことを目標にしますので、問題集の選択においては論点の網羅性を重視します。

『事例演習労働法 第3版補訂版』

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~2021年12月10日:重要問題習得講座の問題及び選択科目の問題集解き直し(=2,3周目)、並びに法律実務基礎科目対策講座視聴完了

予備試験過去問講座及び旧司法試験過去問講座を解く前に、基礎固め(基本問題である

重要問題習得講座の問題の内容をある程度頭に入れる)を行います。

これ以降、重要問題習得講座及び選択科目問題集の繰り返しは、受験生活における核とします

基本問題において論点を判別し、論証が完璧に書け、ある程度の当てはめができていれば予備試験は合格できる試験だと思っているからです。

スキマ時間の扱いは上記期間と同じ。

これらの演習とは別に、法律実務基礎科目の講義視聴をしつつ、同時並行で(視聴完了部分につき視聴完了次第その都度)以下の問題集での演習をスタートさせます。

 
民事実務基礎 (予備試験論文 2)

 
刑事実務基礎 (伊藤塾試験対策問題集:予備試験論文 1)

 

~2022年1月15日 予備試験論文過去問解析講座、旧司法試験論文過去問解析講座及び選択科目講座の過去問解析講座部分の視聴を完了し、1周目を終わらせる

講義時間数はさほど多くありませんし、冬休みも入るのである程度余裕があると思いますが、予習があり、復習があり、わからない箇所を基礎講座(総合講義300)テキストで確認する作業があり…という手間があることを考え、若干余裕を持たせました。

スキマ時間の扱いは上記各論文過去問講座の解き直し。

 

~2月20日頃の1ヶ月強 論証集の「使い方」講座を受講するのと並行して、重要問題集習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集及び各論文問題過去問講座の解き直しをする(スキマ時間も同様)。

この時期には途中から春休みに入るため、余裕のある時期だと思います。

この時期が始まる前には、 既に重要問題習得講座及び選択科目問題集は解き直しを含めて4~5周、各論文過去問講座を1~2周はできており、論文問題を解ける基礎は十分に固まっていると思います。

この時期にはさらに磨きをかけたいと思います。

そこで、この時期の初めに論証集の「使い方」講座(全36時間程度:労働法の場合)を受講し、基本的な論証の復習をします。

その後、論証集で得た知識を定着させるため、重要問題習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集、論文過去問講座を繰り返し解いて、論証の知識を定着させるとともに、論文問題の論点判別・解答の精度を上げます。

 

この時点で、論文問題に関しては合格レベルにまで達することも可能ではないかと思います(但、短答対策集中期間を挟むと論文問題への対応力が落ちる場合あり)。

予備試験は基本的な問題で構成されていると言われていますので、基本問題を精度高く書ければ合格できる可能性が十分あるからです。

 

また、このあたりの時期から1~2週間に1通程度、本番同様に答案を紙に書く(起案する)ことで、自分の弱点を知る(知識の正確さ、時間配分の適切さ等)ことができれば理想的です。

本番を見据えた予行演習にするという意味で、起案する問題は予備試験の過去問が理想ですね。

2月21日頃~5月中旬(短答試験本番):短答対策・強化期間

この頃から短答対策スタートさせるのは、割と現実的なラインではないかと思います。

ちょっと予定が後ろ倒しになった場合も3月上旬〜中旬にスタートさせ、一方、予定を前倒しにできた人はもう少し早くスタートさせても良いかもしれません。

まず、短答講座(Ⅰ:20時間、Ⅱ:125時間、過去問:97時間)は、春休みという時間に余裕ある時期を活用し、3月内には受講し終えます(もちろん予習の際に問題は解きます、短答の場合はア〜オ等の記号を書くだけなので講座受講前の演習でも書いて良し)。

スキマ時間は、短答問題の演習を中心に短答対策を行います(短答講座に全年度の過去問が含まれるようなので、それのみを使用して問題演習。~2021年9月15日までに使用した問題集は使わないで教材を絞る)。

講座視聴完了後は、短答問題をひたすら解き続けます。

短答試験本番までに全科目最低5周はしたいです。

 

また、僕は受験生時代、この時期に短答対策に集中しすぎて論文問題の回答力が落ちることを懸念していましたし、実際そのようになってしまう人もいたようです。

ですので、答え合わせを含めて1日30~1時間ちょっと程度で収まるくらいの演習量、僕であれば1日3~6(選択科目含)科目×各科目1問ずつの合計3~6問の論文問題を、今まで通り頭の中で演習することを並行して行います。

僕は勉強時間が決して長くなかったので、短答対策とのバランスを考えると1日30分ちょっとで収まる量≒1日3~4問とします。

なお、本番前は体調にも配慮しなければいけません。

決して夜更かしはしないようにしましょう。

 

shihounoinu.hatenablog.com

5月中旬(短答試験終了後)~7月中旬(論文試験本番):重要問題習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目及び論文過去問講座の解き直しがメイン。予備試験答練と法律実務基礎科目答練をペースメーカーに。

重要問題習得講座は、この時期に解くものを含めて累計8~10周、その他の問題集及び論文過去問講座は累計5~6周できればgood!と思います。

ただし、2月20日以前の短答対策集中期間前に上記の周回数をすでにこなしてしまった場合を含め、この時期に各問題につき2周はしたいと考えてしまいます。

なぜなら、やっぱり本番前にしばらく解いていないと忘れてしまうからです。

本番で答案用紙に書けなければ今までの努力も水の泡になってしまいますので、本番直前には記憶のメンテナンスとして、特に重要問題習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集といった論点網羅的な問題集は欠かさずに解き直したいです。

 

また、論証集のチェックも暇を見てコツコツ行えるとよいですね。

予備試験答練及び法律実務基礎科目答練は、全科目しっかりフルで答案を書き(起案し)ましょう。

本番のシミュレーションとして、本番同様の環境で解くこととします。

 

なお、本番前は体調にも配慮しなければいけません。

決して夜更かしはしないようにしましょう。

論文試験終了後~論文試験合格発表:好きにするがよい

理想は口述に備えて勉強することですが、僕は全くやる気が起きませんでした。

ですので、毎日近所の公園で2時間くらいぼーっとした後、自宅で野球アニメ『メジャー』を見ていました。

まあ、理想を言えば、スキマ時間くらいは法律実務基礎科目(口述試験の科目です)を解き直し主体で勉強してもいいかも。

論文試験合格発表~口述試験(2018年は10月下旬):2週間ちょっとしかありません!!!

死に物狂いで法律実務基礎科目の勉強。

口述模試はもちろん受けよう。

民事は要件事実がメインで、あと民法と民訴法の知識がちょっと。僕は弁護士職務基本規程が出なかった人ですが、受任不可事件や利益相反をはじめとする頻出問題は一応答えられるようになっておきたい。

でも、この期間に0から詰め込むのではなくて、2021年のうちからしっかり積み上げてきているはずなので、多分大丈夫*2

刑事は刑法と刑訴法、刑訴規則の基本的な知識があれば大丈夫。

 

なお、本番前は体調にも配慮しなければいけません。

決して夜更かしはしないようにしましょう。

 

一般教養講座について

多分見ないが、10時間程度とそこまで長くないので余裕があれば電車内等スキマ時間で聞き流す。

 

一般教養は大学受験を一般入試で合格していたので、特に対策する必要性を感じませんでした。

実際、僕は一般教養の短答は39/60点だったので、この考えは変わっていません。

僕は短答・論文共に一般教養は無対策でしたが、特別な事情がない限り一般教養は対策しないでいいんじゃないかと思います(2022年予備試験では論文試験から一般教養がなくなるそうです)。

あとがき

以上を参考にしてもよいですが、あくまで自分の良かった点と反省点を織り交ぜた経験者としての(お気楽な)振り返り的シミュレーションですので、ご自身に合うようにカスタマイズしましょう。

また、計画を余裕を持ってクリアできるようにタスクは後回しにしないようにするべきですが、仮に思い通りに行かなかったとしても、原則3の通り、自分を精神的に追い込まないようにしたいですね。

 

 

本記事でシミュレーションに用いた講座

予備試験1年合格カリキュラム

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*1:ここでは頻出論点を隈なくカバーしていることを「網羅性がある」ということにします。

*2:僕はこの時期に0から詰め込みました。ひどい出来でした、すみません。

企業法務とは?つまらない業務のことです(2021年司法試験受験生の就職活動)

タイトルは完全に個人的な感想です。

さて、司法試験も終わり、法律事務所等への就職活動中の受験(終了)生も多いことだと思います。

ところで、就職活動中の皆さんは、法律事務所を「一般民事」と「企業法務」に大別しているのではないでしょうか?

この記事では、僕個人がイメージするそれぞれの定義と業務内容をお伝えします。

 

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「企業法務」とは

「企業法務」とは企業の法律問題を扱う仕事です。

そして、企業法務事務所とは、ほとんど企業のみを顧客とし、企業の法的問題を予防・解決する業務を行う法律事務所をいうものだと思っています。

一般民事事務所になく企業法務事務所にある取扱分野としては、知財独禁法、税法、金商法、大規模又は渉外のM&Aなど専門性が高い分野だと思います(もちろん事務所による)。

もっとも、これらの分野に限られるものではなく、労働事件の使用者側(主に企業)専門の事務所や、普通の民事訴訟や契約書チェック等をやっているけど企業のみを顧客とする事務所も企業法務事務所だと思います。

企業法務事務所の良いところは、

・給与水準が高い傾向にあると思う

・何か専門としてやりたいことが決まっている分野がある場合は、最初からその分野に集中できる場合がある

・上記のような知財、独禁、税法、金商法など専門性の高い分野を扱える場合がある

・立地が良い場合が多い

くらいでしょうか。

個人的な話(企業法務つまらない)

僕も現在、企業のみを顧客とする企業法務事務所に所属しています。

企業法務事務所の方がなんか色々良さそう!程度にしか考えずに就職活動をしていたのですが、業務内容は修習生の時に主に扱っていた民事訴訟や刑事弁護の方がはるかに面白かったなあ・・・と思います。

来る日も来る日も、契約書チェック、法的意見書の作成、M&Aに関係する法令や財産の調査・・・など紙に対して一方通行で向き合っているだけで、何かの修行のようです。

 

無味乾燥な毎日を過ごしています。

 

民事訴訟や刑事弁護であれば、相手方当事者又は警察若しくは検察官及び裁判所との「対話(コミュニケーション)」がありますし、各事件にストーリーがありますので、それなりに面白いと思っています。

僕の所属事務所のようなタイプの企業法務事務所は、無味乾燥な作業に耐えられる人又はお金稼ぎができればあとはなんでもよいという人以外は向いていないんじゃないかな〜と思います。

 

また、企業法務事務所は顧客と継続的に付き合いがある(アソシエイトが1回ヘマしたら切られる可能性がある?)からか分かりませんが、若手があまり法律相談を始めとする顧客対応をしない傾向にあるんじゃないかな〜と思います(もちろん事務所により例外もあり)。

アソシエイト弁護士は、パートナー弁護士と顧客が話し合って決まった事項を淡々と処理する感じで、まさに機械のようになっております。

そこもつまらないポイントです。

 

 一般民事とは

「一般民事」事務所は、「企業法務」事務所以外の事務所だと思っています。

離婚、相続、交通事故の被害者側を主とする「一般個人を相手」とする事件も扱う一方、大半の事務所は中小企業の「企業法務」的な業務(例:債権回収訴訟や労働事件、契約書チェックなど)も行うことが多いです。

一般民事事務所でも、契約書チェックなどひとりで書面と睨めっこという業務も一部あると思いますが、訴訟があったり刑事事件もあったり破産関係があったり…と、割と広い分野を扱うことができ、業務のバリエーションがあるのが良いところだと思います(実体験から言いますが、同じことばかりやっていると飽きます)。

また、一般民事事務所の場合は、アソシエイトが法律相談に出て方針の決定を主導したり又は決定に参加したりする傾向が(少なくとも企業法務事務所よりは)あるので、「自分で事件をコントロールしている」感が得られて良いのではないかなと思います*1

デメリットとしては、

・一般個人の顧客(相談段階を含む)に、弁護士の円滑な業務遂行を妨げる者(例:感情的になって話が進まない)がいる割合が企業法務よりは高いと思われる

・高い専門性のある分野を扱いたいと思った場合に、その事務所では仕事が来ない/知識がなく扱えないことがある

などがあります。

 

僕はもう一回就職するとしたら、民事訴訟と刑事弁護を中心的な業務とする一般民事事務所に就職したいなと思いますね(笑)

 

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当ブログでは、

⑴ネット予備校の利用 

⑵正しい勉強法で勉強すること

⑶精神的に頑張りすぎないこと

をお勧めしています。 

 

⑴についての記事 

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⑵についての記事 

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*1:僕は一年目ながら、一回だけほぼ一人で労働事件をやったことがあります。相談に始まり、主張書面の骨子〜細部まで決めることができて、その事件はとても面白かった記憶があります

予備試験・司法試験当日はしっかり寝ましょう/論文(五反田)・口述(新浦安)のホテル情報も

そろそろ2021年の予備試験論文試験が近づいてきましたね。

 

 

予備試験を2018年に通過した僕が、司法試験を受験したのは2019年5月のことでした。

試験1日目が終了し、試験会場及び宿泊先であった五反田駅北口のジョナサンで夕食を摂っていました。

 

僕はひとりぼっちで食事をしていたのですが、2つ離れた席に司法試験の話をしている受験生と思われる男性のグループがいました。

彼らは、

「昨日寝たの何時?」

「(朝の)4時くらいかな〜」

「今日は何時まで勉強やるの?」

「3時くらいかな〜」

などという会話をしていました。

僕はこの会話を耳をそば立てて聴いていたのですが、内心「何でそんなことやってるんだ…?」と不思議に思っていました。

・睡眠不足は脳のパフォーマンスを下げる

・試験当日になって徹夜で知識を詰め込んだところで、せいぜい10時間程度では、時間的に大した量の詰め込みはできない

からです。

 

専門家も試験に際しての徹夜は勧めておらず、早く寝るように勧めています。

徹夜による睡眠不足は、翌日の作業能力の低下や精神症状に影響することが分かっています。ですから翌日に大事な試験・発表・試合・面接などが控えている場合は、準備を前日までに済ませ、夜は睡眠をしっかり取って当日に臨むことをお勧めします。

出典:https://www.waseda.jp/inst/weekly/use/2016/07/01/9117/

 

これとは別の話で、試験本番前日に緊張して、早く布団に入っても寝つけずに、寝不足に陥ってしまう人もいると思います。

僕がこのタイプでした。

そんな人のために、念のためにこちらのリンクも貼っておきます。

『睡眠科学者3人が語る「徹夜明け・睡眠不足」を乗り切る理想的な1日』https://www.lifehacker.jp/2014/08/140821sleep.html

 

 

ホテルに宿泊する場合は、会場から近いホテルに泊まることが良いと思います。

会場から遠いと場合によっては早起きしなければいけませんし、帰宅も遅くなります。

また、電車が遅れる可能性を考えると、遠い場所での宿泊はちょっと怖いですね。

さらに、宿泊費の安さを追求するのも良いですが、

1年に1回しか受験のチャンスがない試験に挑む際の宿泊先として、カプセルホテルやゲストハウスなど、快適さに難がある所に宿泊するのは避けたいです。

ご参考までに僕は、以下のホテルに宿泊していました。

 

予備試験 口述試験

試験会場:法務省浦安総合センター

宿泊ホテル:ホテルエミオンスクエア

備考:2階にファミリーマートがあったと記憶しています。また、向かいにあるエミオンタワーの1階では、試験1日目および2日目に伊藤塾が自習室を提供していました(2019年口述試験における情報)。

ただ、駅から徒歩15分くらいの距離があり、スーパーなどの利便施設は新浦安駅前に集中していたと記憶していますので、駅周辺のホテルに宿泊しても良いと思います。

ちょうどハロウィンの時期で、駐車場はハロウィンの飾りがされており、ディズニーランド行きのバスが複数台停車していました。

我々との温度感の差と来たら…

 

司法試験

試験会場:TOC五反田 (※TOC五反田は、2018年予備試験論文試験の会場でもありました)

宿泊ホテル:三井ガーデンホテル五反田

備考:五反田駅北口すぐにあります。近くに東急のデパートがあり、そこで飲料品や食品が買えました。また、大戸屋やジョナサンをはじめ周辺のレストランがそれなりに充実していました。

 

 

 

今さら言うまでもないと思いますが、

価格や検索の使いやすさを考えると、じゃらんがおすすめです。

 

 

 

弁護士になって半年経った感想(よかった点と後悔)

2020年12月中旬に弁護士登録をしてから早くも半年が経ちました。

半年間弁護士をやった感想を書いていこうと思います。

完全なる雑談です。勉強等のモチベーション維持になれば幸いです。

良かった点

1. 平均的な大学までの同級生より、収入が多い

僕が卒業した大学は、出身大学別平均年収ランキングで言えば、上位10位までに入る大学です*1。上記記事では、

1位の東大は25歳時点で505.3万円

10位の神戸大は25歳時点で422.1万円

となっています。

僕(24歳)は予想年収600万円(※2022年8月13日追記:予想を上回りました!)、四大法律事務所(大手)に行った同大学で同級生の友人(24歳)は推定年収1200万円です。

大学の同級生とも連絡を取りますが、一般就職をした人たちより収入は高いと思います。

2.「手に職を付ける」タイプの仕事で、独立しようと思えばできる

独立しようと思えばいつだってできる、という事実は安心材料です。

弁護士は、仕事の過程で得る知識・経験が自分の中にストックされていき、その後の仕事にも活かされます。

また、独立したら自分で仕事を取って来る必要がありますが、ネットで宣伝する、法テラスで仕事をもらう、国選弁護人・破産管財人を受けるなど仕事を取る方法はパッと思いつくだけで複数あります。

「サラリーマンで営業やってました!クビになったから独立する!」

「公務員で事務やってました!職場が嫌だから辞める!」

という人たちに比べて有利であると思います。

弁護士は数が増えたといっても業務独占資格であり、参入障壁は最も高い部類の職業です。一般の職業に比べて仕事は取りやすいと思います。

3.新人でもナメられない

新人として事務所に入ったときに普通のサラリーマンと違うと思ったのが、事務所で先輩として働く事務員さんが尊敬語を交えて敬語で接してくること、雑用は事務職員さんが全て引き受けることです。

事務所によると思いますが、うちの事務所では他の弁護士も(表面上は)敬意を持って僕に接して下さいます。

普通のサラリーマンが新人として入社した場合には、新人を軽く扱ってくる先輩がいたり、積極的に雑用を押し付けられると思うので、弁護士はこの点違うと思います。

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後悔した点

1.お金が欲しいなら、外資系や商社に就職しても良かったと思う

商社や外資系金融機関であれば、弁護士の中でアソシエイト(注:雇われ弁護士のこと)の収入が最も高い四大法律事務所に劣らないと思います。

商社や外資系金融機関は、

・司法試験に合格する必要がない

・弁護士ならば大学卒業から弁護士登録までの1年9ヶ月間(僕の場合)の収入が著しく低いのに対し、商社や外銀はこの期間も稼げる

ので、経済面ではアソシエイト弁護士より良いかもしれませんね!

ただ、弁護士は、

・独立して、他の弁護士から縛られずに仕事をしたい

・独立/パートナー層になって、大金を稼ぎたい(歩合になるので自分次第)

・法律/弁護士の仕事が好き

という方には、他では得られない経験を手にできるかも?

2.良くも悪くも責任が重い

例えば訴訟だと、自分の名前が記載された書面が公文書として記録に残ります。

恥ずかしい記録として残るかも(笑)?

また、取引先に間違えてOKって言っちゃった、納期をちょっと過ぎちゃったというのは、普通のサラリーマンならなんとかなることも多いでしょうが、

否認すべき事実を間違えて認めた、控訴期間を過ぎたなど、弁護士が同じようなことをやると致命傷になったり、懲戒請求・損害賠償請求を受けることもあり得ます。

さらに、弁護士は非弁提携の規制があるので、一般の民間企業のようにクラウドソーシング(外注)をすることもできません。

3.感情が絡んだガチのトラブルもあり、なかなか面倒

企業法務であれば感情が絡まないと思っている受験生、合格者はいませんか?

残念ですが、それは間違った思い込みです。

とある法分野の第一人者である、僕の修習の指導担当だった弁護士は、

「結局、決定が通るかどうかを決めるのは、トップの意思決定者が気にいるかどうかだけ。どんな大企業でも同じ。」

と言っていました。

この言葉を、弁護士になってから早くも2回実感したことがあります。

どちらも負け筋の事案ながら相当頑張った事案です。

 

相手方からの請求額は結構大きく、こちらにかなり不利な事実、証拠の事件でした。

我々は、不利ながらも証拠を集めて頑張って押し戻し、和解をすれば請求額と比べてかなり低く抑えられそうになりました。そこで相手方も和解を前向きに検討していました。

「ここで是非とも和解すべきです!!!」などと(共同受任してるパートナーが)説得したのですが、依頼者には聞き入れられませんでした。

「金の問題じゃない部分がある」旨を言われてしまったのです。

要は感情的に引けなくなっているのですが、こうなるとかなり厄介。

判決まで行った方が和解より不利なのは確実なのに、依頼者は動かない・・・

ただ判決までのベルトコンベアに乗り続けるしかなく、自分が頑張ってもどうしようもないこともあるんだな〜(パートナー大変そう(傍観))と思った事案でした。

人によるが僕は変わらなかった点

僕は事務所と家の往復なので、別に弁護士になったからと言ってモテませんし、異性との出会いもありません(要らぬ情報ですが事務員さんは、年上すぎて対象になりません(笑))。

ただ、地方の事務所の就活面接の時に、面接担当弁護士から聞いた話では、「元気な若手弁護士の中では、日常的に合コンに行き、モテている人がいる」そうです。

なので、皆さんが予備試験及び司法試験に合格して、街にくりだせばモテる可能性もあるかも笑(適当)

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予備試験・司法試験 勉強時間が短くても成績を上げるための鍵

”勉強大好き!”ではないので短時間で合格したかった

司法試験合格者の中には、「毎日1日10時間以上勉強した」という猛者がいます。

僕は、毎日5~6時間程度の勉強時間でした。別に法律の勉強がそこまで面白いと思っていなかったので、あまり長時間の勉強をしたくなかったからです。

しかし、毎日の勉強時間を短くした上で、2回目以降での合格とかになってしまっては、意味がありません。

そこで、

①毎日の勉強時間を短くしつつ、

②1発合格を目指して成績を上げるにはどうすれば良いか?

ということを考えており、資料を収集していました。

その結果辿り着いたのが、

思い出すことを中心とした25分の勉強

→5分の仮眠

というサイクルでした。

 

研究者の知恵存分に借りた僕の勉強法のコアはこれでした

このサイクルについて、エッセンスを解説します。

司法の犬の勉強法のコアは、以下の3点でした。

なお、それぞれに根拠としていた本があります。

これらの本は、間違いなく有用な情報だと思いますので、ぜひぜひ読んでください。

①ジャンルをバラバラに、問題を解く

『使える脳の鍛え方』【Amazon】【楽天『進化する勉強法』Amazon】【楽天

問題集を、商法(株主総会取消訴訟)→憲法(集会の自由)→民事訴訟法→刑法→労働法→行政法民法刑事訴訟法→商法(監査役の権限)→憲法司法権

と1問ずつジャンルをバラバラにして解きました。答案は頭の中で思い出していました

NG:1日中憲法のテキストを読んでいる(・科目を変えない・問題を解かないことがダメ)

理由:思い出すことが記憶に定着させる最良の方法。

また、同じジャンルを勉強し続けていると、記憶への定着も微妙だし、ランダムに問題を出された時に、その問題が何を問うている問題なのか判別する力が育たない。個人的見解だが、論点を外してしまう人はずっと同じジャンルの勉強をしていることが原因ではないか。

高校生の時、学校の先生や予備校講師が「問題を解け」とよく言っていましたが、これは正しかったようですね。

②フィードバックを得る

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全科目、一気に、答え合わせをし解説を読んでいました

NG:解きっぱなしにして自分が間違えたポイントを確認しない

理由:フィードバックを受けることで改善の余地が生まれる。また、答え合わせは一問ずつやるよりあとでまとめてやる方が良い(意外ですよね)。

③こまめに休憩を取る

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25分間勉強したら、5分間休む(休憩中は寝る)というサイクルを必ず守っていた。

NG:3時間通しで勉強、休憩はするもののYouTubeやメールをチェックする

理由:休憩中に目を瞑って外部からの情報を遮断して休んだ場合と、音楽を聴く、数学の問題を解くなど外部からの情報を遮断しなかった場合では、前者の方が勉強した事項の記憶定着率が優位に高い。これは納得できる研究結果ではないでしょうか。僕もすんなり受け入れられました。

 

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⑴ネット予備校の利用 

⑵正しい勉強法を取ること

⑶精神的に頑張りすぎないこと

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⑴についての記事 

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⑵についての記事 上記でお勧めした2冊の本について軽く紹介しています。

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司法試験受験時の勉強計画-土曜日の午後は休んでました

 

導入ー話題:たまに休む

ゴールデンウィーク最終日ですね。

「休み」に関連して思い出した話をします。

皆さんには、1週間~2週間に半日~1日程度の割合で、受験勉強につき休みを取ることをおすすめしたいと思います。

 

司法の犬は、計画的にサボってました。

僕の実践例

以前にも書いたと思いますが、僕は土曜日の午後を計画的にオフにして、公園に遊びに行ったりしていました。

僕は、予備試験に最終合格した時点で、予備試験の勉強開始(2017年7月)から司法試験の受験(2019年5月)まで毎日勉強漬けになってしまえば、司法試験を受験する頃(2019年5月)には、飽きと辛さがのしかかってくるだろうと予想していました。

受験期直前で勉強が1時間すら手に付かないなどの燃え尽き状態は回避したかったです。また、予備試験合格時点で既に、毎日のように勉強ばかりして、変わり栄えのしない日々に飽きており、刺激が欲しかったので、

意識的に

土曜日午後は(強制的に)休み

というルールを設定しました。

振り返ってみると、これはなかなか良い選択だったんじゃないかと思います。

上記で懸念していたような燃え尽きにはなリませんでした。

また、土曜日の午後に休める(映画館に行ったり、公園に遊びに行ける)ことを楽しみに生活に張りができていました。

それに、

・この毎週の休みがちょうど良い息抜きになっていたからか、

また、

・ある日には「土曜日午後に休めるんだし、今日はやる気低いけどしっかり頑張るか」みたいな感じになったからか、

日々の学習は集中力を持って取り組めたんじゃないかと思ってます。

週1でサボることにした、その根拠は?

この「土曜日を半休にする」という計画の立て方は、下記書籍に出てくる「チートデイ(意図的に休む日)」という考え方を参考にしていました。

 

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上記の僕の「土曜日は半休」のように、意図的にサボる日を、予め設定(「予め」がポイントらしいです)しておくと、意図的にサボる日を設定しない場合に比べて、計画の達成率が15%上昇するそうです。

司法試験は長期戦ですので、計画を達成できるかは1つ大事なポイントになってくるんじゃないかと思います。

 

最後に

今年のゴールデンウィークは5連休でしたが、やっぱりたまの休みって嬉しいですよね?

勉強も、毎日馬車馬のように頑張るより、実はたまに休んだほうが上手く行く可能性があるんじゃないかというお話でした。

上記の本からは、他にも計画を達成するために役立つ知識が得られるのでご参考にしてみて下さい。

 

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予備試験 論文問題集のおすすめ?/スタンダード100以外でも良い?

話題 「予備試験問題集は何を使えばいいか」「スタンダード100以外でも良いか」

当ブログではこれまで僕が『論文の森』と『スタンダード100』を論文のメイン教材として使ったことを公言してきました(特に推薦しているつもりはありません)。

これを受けて、読者の方より「『論文の森』と『スタンダード100』はもう古いのでは?」「伊藤塾の赤本でもよいか?」という質問を受けてきました。

これに回答しますが、僕だったらこうするという私的見解にすぎません。ご自身の特性、置かれている状況、及び教材の特徴等踏まえた上で自己判断をしてください。

 

予備試験や司法試験に合格するために必要なのは、

・どの論点の問題が出ても

・正しいとされている答案の形式(ナンバリング、問題提起論証当てはめ)で

・一定の内容を伴った論述をする

ことですので、①論点網羅性と②参考答案があり③一定の信頼を受けている母体が発行するものであることが必要条件です。

 

第1 予備校で論文演習講座を受講している場合

僕だったら、その論文演習講座のテキストを周回し、市販テキストは別途買いません。

「予備試験予備校 おすすめ」などと検索すると、「あの予備校は網羅生が高くて良い」「あの講師は分かりにくい」「あの予備校はやめとけ」などということが書いてある場合がありますが、ハッキリ言ってどこの予備校もそれなりの質があります。

僕も司法修習終了までに、伊藤塾、辰巳、LEC、アガルート、資格スクエア等主要予備校の出身者全てに会いました(僕の友人は年齢が近い人が多く、修習生の中では若い方なので、若干アガルート多めでしたが)。

上記の予備校で講座を受講している場合、その講座及びテキストには①論点網羅性も②参考答案もあるものと思います。また、どの予備校からも一定数の合格者が出ており、各予備校には③一定の信頼があるものと思います。

ネットでネガティブな書き込みがあっても、その講義を理解し、何度も解いて、全ての問題の解説答案をそのまま書ける水準までやりこめば、合格レベルに達するはずです。

市販教材に取り組む前に、その論文講義を99%以上消化しているか?現時点で既に99%以上消化していても市販の教材は必要なのか?をもう一度検討してください。

不要との結論に落ち着くはずです。

 

第2 予備校で論文講座を受講していない場合

1 まず予備校の論文講義を受講することを検討しよう

やっぱり予備校の論文講義に乗っかる方がいいです。

当ブログでは何度も述べていますが、自己流だとそもそもの勉強の方向性を誤ることが往々にしてあります。

僕と同じように勉強して合格できるかについて、正直再現性は極めて低いと思います。

これは実際体験した僕が一番そう思います。

僕ですらもう一度ゼロから同じように勉強して合格できるかは自信がありません。

 

(周囲に予備試験・司法試験に落ちた人がいないので大学受験を念頭に話しますが)

成績の悪い人は、

・高校3年春時点で偏差値40未満の早稲田法学部志望。

本来であれば、1年後までに早稲田の過去問を解けるように、問題集を解くことを中心に、英語・社会・国語に絞って勉強すべきなのに、学校の定期テストでも満遍なく好成績を取るために家庭科や情報、数学の勉強もしっかりする。ついでに部活も文化祭も体育祭も全力投球(方向性の誤り)。

・毎日1時間だけ(勉強時間短すぎ)、机の上にスマホを置いてLINEをしながら(集中が途切れる)、ひたすら教科書を読むだけで問題集を解かない(勉強法の誤り)。

といったことをしています。

方向性の誤りを避ける必要性については下記2つの記事をご覧ください。

「予備校は、金で時間と合格可能性を買うところ」と書いているのは、上記の方向性の誤りを避けることを指しています。予備校であれば、カリキュラムや講師が授業中に話す自習計画等に従えば、方向性の誤りは避けやすいと思います*1。 

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2 僕と同じ茨の道へようこそ、予備校の論文講義を受講せず予備試験に挑戦する方 

①論点網羅性と②参考答案があり③一定の信頼を受けている母体が発行している問題集であればどれでも構いません。

ですので、例えば伊藤塾の赤本は(最低でも頻出分野の)問題が一通り載っており、参考答案がついていて、また、受験生の信用を集める伊藤塾が発行しているので基準を満たします。

 
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実際、僕は予備試験受験当時にたまたま論文の森を選びましたが、伊藤塾の問題集も候補にありました。

逆に、ロースクール生がよく使うような参考答案のついていない問題集は、上記のような理由から僕だったら使いません(②について満たさない)。解説が詳しくても、解答の形に落とし込めないと受験では意味がないので。 

例えば、『事例演習刑事訴訟法』は評判が良かったので、スタンダードを買う前に立ち読みしましたが、参考答案がないので採用しませんでした。

ただし、下記のような解答付き講座等信頼できる参考答案にアクセスできるなら上記①〜③全てを満たすので、検討したと思います(予備校を使うことになりますけど)。

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ただ、同書を使用して合格している受験生も多数いること(だからこそ好評なのだと推測します)から、やはり個々人のスタイルに合わせて採否を決するべきと思います。

繰り返しですが、本記事は「僕だったらどうするか」を書いただけで、あなたが良いと思えばそれは良い教材です。

 

また、③の関係でメルカリ等で売っている「合格者が作った教材」なるものも僕は買いません。

 

第3 最後に

個人的感想ですが、

①論点網羅性と②参考答案があり③一定の信頼を受けている母体が発行している問題集なら本当になんでもいいと思います。

上記を満たす教材は多数あります。一定の評判を得ているものならなんでもいいです。

実際、合格者が使っていた教材は多種多様です。

 

成績は教材の良し悪しではなく、それを使う人の良し悪しによって決まると思ってます。

合格水準に達するかどうかは、自分が問題集等の教材をどれだけ吸収できたか次第です。

 

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*1:これも大学受験時の経験からの推測ですが

2021年版・新人弁護士の給料等の話【稼げないの?】

皆さんが大好きなお金周りの話をします。

予備試験や司法試験に合格した後の話で気になるのは、結局ここですよね?

「いくら稼げるんですか?」

 

「収入が高い職業」の代表に挙げられることが多い弁護士ですが、その生活はいかに。

 

 

司法の犬の場合(個人事件禁止/一般的なパターン)

・月収額面:50万円

・暫定手取り:44万数千円(10%程度の源泉徴収をされています。)*1

弁護士会費事務所負担

・基本的には月〜金 9:15~17:30

・勤務先はそこまで都会じゃない

・実家暮らしで基本的な支出は抑えめだが、デジタル機器をちょいちょい買っているので・・・

・勤務時間はやや短めですが、他は割と一般的なパターンかなと思います

 

四大事務所に行った友人Aくん(個人事件禁止/激務高級取り)の場合

・月収額面:不明(ヒアリングしてません)

・年収手取り:900万円くらい

→下記サイトによれば額面1,300万円くらいということになります。

ただし、弁護士の場合、弁護士国保という定額保険に(2年目からは)加入することになるので、一般サラリーマンよりは社会保険料負担が軽いです。

よって、額面年収1,200万円くらいと予測します(適当)。

弁護士会費は事務所負担。

・月〜土 10:00-24:00頃

・日曜は半日働くことも

・大手町(大都会)勤務、住まいは一駅離れた場所(家賃1Rで12万円)

・家賃・食費等を中心に毎月30万円の支出がある。

 

www.sakai-zeimu.jp

一例として、東京都弁護士国保のページのリンクを掲載します。

www.bengoshi-kokuho.or.jp

 

分析

2人とも同じ大学、学部違いの同級生です。

価値観の違いが現れていますね。

 

・司法の犬

→四大法律事務所とか激務なところは嫌だ。他人(=パートナー弁護士)を豊かにすることに興味がない。

・Aくん

→エリートならまず四大からキャリアをスタートさせたい!

 

どちらかと言えば、Aくんの方が一般的な考え方かと思います(笑)

最後に

一時期の一部報道であった「新人弁護士の就職難」「年収300万円」という時代は、本当にあったようです。

しかし、就職活動中に伺った情報では、それも65期前後までのことだったようです。

65期前後までは、法律事務所がかける求人に対して、応募者の数が圧倒的に多かったことが原因のようです。現在では、求人倍率はそれなりに落ち着いています。

73期では、(👉【ひまわり求人】を見れば分かりますが)初年度年俸600万円の事務所が大多数です。

修習中に同期から聞いた限りでは、四大や外資等名門企業法務事務所であれば、最大で年俸1200~1500万円程度、他方、年俸600万円未満の事務所もちらほらといった感じでした。

 

予備試験・司法試験の受験を検討している人におすすめの記事はこちら

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*1:「暫定」というのは、個人事業主扱いであり、年末まで課税所得並びにそこから導き出される税率及び税額が確定しないので、このように表記しています。

二回試験に落ちるのが怖い人は、導入修習を1番頑張るべし(私見)&民事裁判起案の型

この記事は、「とにかく二回試験に合格したい」人向けです。

一定の成績を取る必要がある裁判官、検察官志望者についてはワンポイント+αアドバイスを書きます。

導入修習頑張れば多分大丈夫

二回試験に落ちないことを最大かつほぼ唯一の目標にしている人は導入修習を頑張りましょう。

導入修習で起案の基本を身につけてしまえば、残りの修習はものすごく楽になります。

 

起案での項目立て及びその順序

並びに

各項目で何を書くのか及びその際の注意点

(以下、「起案の型」といいます)は何よりも先におさえましょう! 

起案の型とは(民事裁判を例に)

例えば民事裁判起案*1の型は以下のとおりです。

注:白表紙「要件事実」及び「事例で考える民事事実認定」を基礎に、僕の理解及び思考プロセスを記したものであることに注意してお読みください。

⑴問題構成

・要件事実が、

訴訟物及びその個数(第1問)、主要事実(第2問⑴)、争いのある主要事実(第2問⑵)

・事実認定が、

証拠構造(第1〜第4類型、第3問⑴)事実認定(動かし難い事実の認定&その動かし難い事実の評価、第3問⑵)となっています。

 

⑵要件事実問題と事実認定問題で書くべきこと(太字は注意点)

ア 要件事実

・主要事実では、立証責任を負う当事者が立証すべき主要事実を過不足なく、かつ、十分に書く(特に余事記載には注意

・争いのある主要事実は、前記主要事実のうち、反対当事者が不知または否認した主要事実を、記号で引用する

要件事実は、このルールを守りつつ、白表示「要件事実」に加えて「紛争類型別」「完全講義 民事裁判実務の基礎」「要件事実30講」*2などで演習をするのが必須です。

 

「紛争類型別」

 
紛争類型別の要件事実―民事訴訟における攻撃防御の構造

 

「完全講義 民事裁判実務の基礎」

 
完全講義 民事裁判実務の基礎〔第3版〕(上巻)

 

「要件事実30講」:僕はこれを使用


要件事実論30講 <第4版>
 

  

イ 事実認定

(ア)証拠構造の判断方法(事例で考える民事事実認定p48~)

証拠構造が第何類型に当たるか忘れずに書いてください。

(ステップ1)

直接証拠である類型的信用文書があるか(直接証拠、かつ、類型的信用文書)

→ある・・・①へ

→ない・・・②へ

 

(ステップ2)

 ・・・①直接証拠である類型的信用文書の成立の真正に争いがあるか

(どの文書のどの部分がどのように直接証拠に当たるのか記載する)

 →ない→判断の中心は、記載通りの認定をすべきでない特段の事情の有無(第1類型)

 →ある→判断の中心は、成立の真正/二段の推定が働くか、それが働く時は反証の成否(第2類型)

 ・・・②直接証拠である供述証拠があるか(当事者本人の供述を含む!

(どの供述のどの部分がどのように直接証拠に当たるのか記載する)

 →ある→判断の中心は、供述の信用性(第3類型、どの供述のどの部分が直接証拠に当たるのか記載すること)

 →ない→判断の中心は、間接事実の積み上げにより要証事実を推認できるか(第4類型)

 

(イ)事実認定

事実認定は、

 ・契約等の事前の事情

 ・契約等の際の事情

 ・契約等の事後の事情

 

を基本として、視点を設定する。

また、各視点ごとに

 ・契約等の事前の事情(動かし難い事実の認定&その評価)

 ・契約等の際の事情(動かし難い事実の認定&その評価)

 ・契約等の事後の事情(動かし難い事実の認定&その評価)

 

 とし、 

 最後に

 ・総合評価

 を行うのが基本の型。

注意:判断の中心に関する事実についてのみ動かし難い事実の認定&事実評価をするのではなく、(要証事実の成否に影響を与える)全ての事実について行うこと!

✖︎押印に関する事実だけ検討する(第2類型で)、供述の信用性だけ動かし難い事実の認定&その評価をする(第3類型で)

全ての*3動かし難い事実の認定&その評価をする*4

 

(イ)動かし難い事実の認定(事例で考える民事事実認定p58~)

以下に従って豊富に認定をする。後で行う評価に資する程度には具体的にすること*5

1)争いのない事実

(当事者双方の訴状・答弁書準備書面書面での主張において一致している事実、事実摘示のあとカッコ書で「争いなし」と記載)

 

2)当事者双方供述の一致

(陳述書、尋問等の供述で当事者双方が一致している事実、「X14,Y19」「甲10(陳述書)の6、Y52」等、「X●,Y●」の記載を基本として、原告のどの供述と被告のどの供述が一致するか記載)

 

3)成立の真正が認められ信用性の高い書証に記載のある事実(「甲●」「乙●」と記載)

 

4)不利益事実の承認(「訴状第2の1⑷ア、不利益」「X14、不利益」と記載)

 

5)弁論の全趣旨(例えば、特に主張・供述に表れていないけれど、消費貸借契約書が作られていない、など。「弁論の全趣旨」と記載)

認定した動かし難い事実の評価方法

認定した複数の動かし難い事実が、設定した視点の範囲において、1.要証事実を推認させるのか、推認させもしないし消極方向にも働かないのか、消極方向に働くのか 2.推認または消極の場合はどの程度か、それぞれ理由を示して論ずる。

総合評価

各視点ごとでの評価の相互関係を考慮して、要証事実の成否を判断する。

結論部分は、「(証拠類型第2の場合)よって、甲●の印影はYの意思によって押印されたとは認められず、反証が成立するので、要証事実は認められない。」

「(証拠類型第3の場合)よって、Xの供述は信用でき、要証事実は認められる。」

などと、証拠構造に合わせて書くこと。

 

起案の基本については、下記記事で書いたような、主要な白表紙及び授業の内容を習得すれば大丈夫です。

shihounoinu.hatenablog.com

 

導入修習を頑張った司法の犬のその後

導入修習で導入修習で起案の基本を身につけていれば、実務修習で平日9:00-17:00以外に自習をしなくても、実務修習の内容が自然に起案の理解に繋がります。

各科目で起案の型は異なりますので、1.各科目の型を暗記及び理解すること2.科目間で混同しないことが大事です

導入修習に上記のような起案の型、すなわち、項目立てとその順序及び各項目で何を書くのか、各項目での注意点の4つさえ押さえていれば、実務修習中の体験も起案に活きてくると思います。

また、集合修習でも理解が早く、深くなるはずです。

僕は、集合修習中には課題以外の自習はせず、二回試験直前は全く勉強せず中国ドラマを見たり趣味に興じていましたが、

・集合修習の起案は3段階評価の科目はA、5段階評価の科目は基本BでたまにA,C

二回試験は優と良のみ

でした。

(おまけ)良い成績を目指す人に

実務修習で担当だった左陪席裁判官(71期)

及び

裁判官になった修習同期(73期)が使用していた教材を列挙します。

どれも割と定番の本です。 

 

「ステップアップ事実認定」:民事裁判の事実認定


ステップアップ民事事実認定 第2版
 

 

「事実認定の考え方と実務」:民事裁判の事実認定


紛争類型別 事実認定の考え方と実務〔第2版〕
 

 

「刑事事実認定重要判決」:刑事裁判の事実認定

 
刑事事実認定重要判決50選〔第3版〕(上)

 

「起案添削教室」:弁護起案


弁護士はこう表現する 裁判官はここを見る 起案添削教室
  

 

裁判官になった同期同クラスの人は、

額面月13万5,000円の少ない資金から自腹切って、大量の本を買って勉強していました。尊敬!

 

その他のおすすめの本(成績優秀を目指す人に限らない)は、こちらの記事をご覧ください。

shihounoinu.hatenablog.com

 

 

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*1:二回試験で優だった科目、かつ、型が一番決まった科目なので例に挙げます

*2:73期の僕のクラスではこの順に使用者が多かった感覚です

*3:本当は「全ての」ではなく要証事実の判断に影響のある全ての事実というべきですが、最初のうちは「全ての」動かし難い事実くらいの感覚でOK

*4:事実認定の「総合評価」にて後述しますが、最終的には全ての事実を検討するとXの供述は信用できると言うことになります

*5:なお、ここで認定していない事実を評価の項目においていきなり出現させるのはNG。評価に用いる事実は動かし難い事実として認定しよう