予備試験を独学・1年で受験してみた

非法学部生が独学・1年未満で予備試験に合格した記録

予備試験独学の勉強法(平日一日ルーティーン)

このブログでは「どのように予備試験に独学で合格したのか」関連の記事が人気なようです。ですので、僕の勉強法を(記録に基づき、また、やや記憶を辿りながら)書いていくことにします。

なお、他学部在学中の大学3年~大学4年に予備試験の受験勉強をしておりましたので、平日はほぼ毎日大学に通っていました。1・2年生時に必死で単位を稼がず、時間割に余裕を持たせていたため、3・4年時にツケが回っていたという状況でした。

また、僕はもともと長時間の勉強が得意ではありません。ですので、大学の通学または授業の空き時間に勉強することが主でした。

 

朝7:15 起床

8:00~8:55 大学へ通学(勉強ポイント①)

 僕は『スタンダード100』を(厚いので)、各科目2または3部に裁断して、そのうちの1部を、一日2~3科目ずつカバンに入れていました。要は、毎日カバンの中に、裁断されたスタンダードが合計2~3部入っていました。厚さのある「スタンダード」も裁断すれば、満員電車の中で片手はつり革、片手はスタンダードを持って読む、ということができます。

 乗り換えの際に、科目を替えていました。当ブログでは、何度も書いていることですが、僕は、予備試験・司法試験を通じ、勉強する科目を頻繁に変えることを推奨しています。根拠は、以前から読むことを推奨している『使える脳の鍛え方』『進化する勉強法』です。

 また、徹底して過去問を解くことを勧めるのは、巷に言われるような「ゴールを知る」ことではありません。水泳ができるようになるには、テレビで世界水泳を観戦するのでなく実際に泳ぐ必要があるのと同じように、予備試験本番の問題が解けるようになるためには、本番の問題に近い題材である予備試験過去問が最高の練習素材だからです。根拠は、以前から薦めている『超・勉強法』です。

 

 なお、カバンの重さをなるべく減らしたかったので、僕はいつもシャーペンと黒ボールペン一本と(一部の授業でテキスト教材)と軽いノートPCだけで済ませていました。もし今僕が大学生であれば、iPad AirにSmart Keyboard Folioを付けて800g弱ですので、これをノートPCの代わりにします。

 

9:00~10:30 大学一限目授業

 真面目に受ける。授業中に予備試験の勉強をすることはしません。

 僕は、レポート提出で済む授業より、期末試験一発勝負の授業を好んでいました。

⑴文献を読んでレポートを書く時間よりも、テスト勉強をする時間の方が短くて済む⑵テストの授業の方が後々記憶に残る⑶テスト授業の方が身が入るというのが理由です。

※なお、⑵⑶は当該学部の授業が好きだったことが前提となっています。

 

10:30~12:15 図書館で勉強(勉強ポイント②)

 僕は、2限目を(ゼミの課題が終わっていないときのバッファーとして)空きコマにしていたので、この時間は基本的に図書館で学習です。

 勉強ポイント①同様、各科目を(途中で科目を替えながら)勉強していました。

 (★独学者のポイント)

 わからないところはGoogle検索しましょう

 僕も「錯誤と心裡留保の違い」「株主総会不存在確認訴訟 例」などと一日に5回は検索していました。

 また、僕は予備試験が難関試験だからといって、自分を精神的に追い詰めるのは好きではなかったので、気が乗らないときは、途中で勉強を切り上げて大学近くの公園を散歩していました。

 

12:15~13:00 昼食&昼寝

 以前から伝えている気がしますが、昼寝は勉強の効率を上げるために重要なので必ずしましょう。

 

13:00~14:30 大学三限目授業

      一限目同様

14:30~16:00 大学四限目授業

      一限目同様

 

16:00~16:55 帰宅(勉強ポイント③)

   帰宅時は、座ってスタンダードを読みながら勉強していました。

 

21:00~21:30 家(風呂)で勉強(勉強ポイント④)

 僕は、家ではあまり勉強する気が起きず、外での方が集中力が持続するタイプです。自分でもそのことを分かっていたので、家では1日30分やればOKというルールを設定していました(そして下限の30分しか勉強しないことがほとんどでした)。

 自分の部屋ですと、YouTubeが見たかったり、小説が読みたくなったりして、予備試験の勉強どころではないのです。

ですから、髪や体を洗った後浴槽に入るとき、自分の体及び浴槽の蓋を拭いてから、法律の本を風呂の蓋の上において勉強していました。

 そして、熱くなってきてのぼせはじめたら、風呂での勉強をやめるという感じです(なおこの習慣は今も続いています)。

 

 

(16:00~18:00にゼミがあることもありましたが、その後はだいたい同じ)

      

  

      

司法修習生に六法とパソコンは必要です(おすすめ紹介)

第1  おすすめの本

 

1 民事系科目(民事裁判、民事弁護)

【要件事実】

要件事実論30講

修習では要件事実の授業はありません。

教官からは必ず「要件事実はご自身で勉強しといてくださいね」と言われます。しかし、修習生が皆口を揃えて言うことは、「要件事実が一番大事」です。

なぜなら、民事裁判及び民事弁護の要件事実部分で間違えると、大きな減点を食らうと言われているからです。それも納得できて、例えば第5問まである問題で、第1問などで要件事実の整理が問われることが多いのですが、最初で間違えると、第1問の間違えを前提に残りの問題を答えることになりますね。

大学受験の数学や物理の問題でいうところの「雪崩式失点」となるわけです。

修習におけるテストに相当する「起案」では主張整理(要件事実)を書かされますが、本書には演習問題が豊富に掲載されており、書く練習が詰めます。

また、73期修習生の中では、新問題研究(配布される)、類型別(青い表紙の薄い本、配布されない)に次いで、要件事実論30講が人気だと感じています。

 【事実認定】

なし。起案の復習と白表紙として配布される「事例で考える民事事実認定」だけやり込んでください。

これだけで、修習生としての事実認定能力は十分足ります。というか、一回読んだだけじゃマスターできませんし、逆にこれをマスターしているなら、試験は余裕です(薄いくせに奥が深く、マスターしている修習生がいるのか不明です)。起案後の教官からのコメントで事実認定についてダメ出しを受けた場合は、この本を読めば大抵のことは改善できます。逆に、この本をまともに読んでいないと、教官から事実認定についてダメ出しをくらうのかもしれません。

なお、「ステップアップ民事事実認定」や司法研修所が出している各種の本を読んでいる人もいますが、労力や金銭などの費用と効果が見合っていないと思います。

2 刑事系

⑴検察 なし。白表紙「終局処分起案の考え方」と起案の復習

⑵刑事裁判 なし。白表紙「刑事事実認定ガイド」と起案の復習

⑶刑事弁護 なし。導入修習の授業の復習と起案の復習

 

第2  六法

デイリー六法。

二回試験(修習の卒業試験に相当)で貸与される六法がデイリー六法です。

他のブログでは、判例六法プロフェッショナルを推薦する記事も見たのですけれども、73期修習生は肌感覚で99%がデイリー六法の使用者でした。

なお、判例六法プロフェッショナルがなくて困るのは、民事裁判での「プロ責法」及び刑事裁判での「出入国管理及び難民認定法」だけです。また、判例六法プロは、感覚的にポケット六法の数倍の重さがあります。日々の持ち運びにはどうでしょうか。

デイリーに載っていない条文が必要になった時には、ネットで調べるとか裁判官室などにある判例六法プロフェッショナルを一時的に使用するとかすれば足りると思います。

 

第3  パソコン

【大前提】軽いものにすべし!

導入修習中と裁判修習中は、自宅から司法研修所もしくは裁判所まで自分のノートパソコンを毎日持っていかなければなりません。他の荷物もある中、ノートパソコンが荷物に加わることを考えると、軽いものを選ぶのがいいと思います。

17インチのDVDドライバー内蔵パソコンなんて選んだら毎日の通勤が地獄です。

なお、パソコン修習生の大半は13インチのノートパソコンを選んでいました。また、軽さを追求していた修習生は多く、感覚的に修習生の4割程度がMac Book Air 13インチかSurface Pro 13インチでした。

【パソコン音痴はここに注意】

今まで使ってきたPCについて、「起動が遅い」「WordやExcel使用中にフリーズする」などイライラしてきた方は多いと思います。そんな方は、「ストレージ」と「メモリ」に注意してPCを選びましょう。

・ストレージは、SSDを選びましょう          ×NG:HDD

・メモリは、8GB以上(8GBor16GB)を選びましょう   ×NG:4GB以下

修習生であれば、文書作成が主であると思いますので、CPU(Intel coreなんとか)はi3かi5あれば足りると思います。

●PCの選び方についての外部参考リンク:

https://little-beans.net/tokushu/recommended-notebook/

 

※追記※

73期修習では、オンライン講義が実施されました。今後の修習はどのような形で行われるか不明ですが、仮にオンラインが続くとすると、よりスペックの高いPCが求められます。

修習中、回線が弱かったりやスペックの低いPCの人は、講義視聴に支障が出ていました(回線切断、画質が悪い(講義画面が見えない)、音声の質が悪い(低スペックPCから話す人の声が途切れる等)。

ちなみに僕の修習時のPCは、9万円程度のIntel core i5/8GB/SSD512GBという中程度のスペックでしたが、ZoomやMicrosoftを利用した講義の受講に際して、上記その他の支障は生じませんでした。

なお今はM1 Macbook Airを使っていますが、上記その他の障害は一切生じることがなく、外出先でのiPhoneとのテザリングも快適です。

M1 Macbookが発売されてから、20万越えのcore i7のWindowsPCを凌ぐほどのパワーを10万円台で手に入れられるようになりましたので、74期以降の方は弁護士になってからも使える高性能PCとしてぜひお勧めします(今年Apple信者になりました笑)

 

 

「予備試験に合格する人の特徴」という動画・記事は無意味

第1 この記事の結論

よく「〇〇に合格する人の特徴」などというYouTube動画やブログ記事(以下「記事等」)があります。

僕も受験生時代に見ていましたが、今振り返ってみると意味がなかったと思います。

その記事等を見るのは、不安になっていることが唯一かつ最大の理由です。そして、薄々感じているかもしれませんが、その記事等を見た後も、あなたの成績がその記事等を見たことが理由で上がることはありません。

 

第2 「予備試験に合格する人の特徴」という動画・記事が無意味な理由

1 当たり前の内容

「勉強時間が長い」「東大生など元々高学歴」など、誰がその記事を見るまでもなく分かるようなことが多いです。このような事実を指摘されたところで、特に意外性がないため「ふーん」としか思わず、10分後くらいに記事等の内容を忘れていることが多いのではないでしょうか。

  

2 内容が抽象的で、行動に移せない

 例えば、「勉強時間が長い」を例にとってみます。

合格する人に勉強時間が長い人が多いのはそのとおりかもしれません。しかし、「勉強時間が長い人が合格します」と言われて、その日から勉強時間を伸ばせるような受験生はいるのでしょうか。「もうやれるだけ勉強してるよ」と思う人が多いのではないでしょうか。

要は、特徴だけ書いてあったところで意味はなく、どのようにすれば行動に落とし込めるか(例:満員電車内では講義音声を聞き流しましょう)という方法論まで書いてなければ、その記事等に意味はありません。読者が、行動に落とし込めないので、その合格者の特徴を獲得できないからです。

  

 3 上記を踏まえて、役に立つ「特徴解説記事」とは

①内容に意外性があり、かつ、②その合格する特徴(例:勉強時間が長い)を獲得するための方法論を述べているもの(例:屋外を歩行中は、昨日の勉強内容を空で思い出す←僕がやっていたことです)などは意味があるのではないかと思います。

意外性があるからこそ、その記事から新たな視点を得られますし、具体的方法論まで書いてあって初めて読者が行動に落とせるので、この2つの条件を満たしていれば、読む価値があると思います。

第3 意味がないのに「〇〇の特徴」という記事を垂れ流す理由

結論:アクセス数が伸びるから

予備試験や司法試験は、最高難易度の国家試験ともいわれており、合格できるか不安な人も多いと思います。僕も不安になっていた受験生のひとりだったので、受験生時代は、「合格する人の特徴」系の記事を時おり見ていました。

しかし、上記のとおり、大半の「合格する人の特徴」系の記事等は無意味です。

無意味にもかかわらず、なぜこういった記事が量産されているかということを考えるに、(以下は僕の想像になるということをお断りして)、やはりアクセスが稼げるからではないかなと想像します。

不安な受験生は多いですから、この類の記事は需要がありますし、不安な受験生って一度のみならず定期的に不安になると(僕の経験からも)思うのでリピートも期待できます。

要は、「合格する人の特徴」系の記事等は受験生側の不安を利用したマーケティングであって、記事等を作成する側にメリットはあれど、それを読む側にメリットはないと思います。

   

法律は難しい。マンガで勉強もおすすめ(予備試験・行政書士・公務員専門科目も対象)

結論 タイトルの通り。なお、僕は、予備試験・司法試験に合格した「司法修習生」という身分ですが、(僕に限らず他の修習生も)司法試験合格後は必ず法律概念・判例等を忘れます(重要なもの含め)。原因は、無味乾燥で文字ばかりのつまらない「基本書」「判例百選」を使用して勉強したことだと思います。そこで、記憶に残る学習をする方法として、マンガで学習することを提唱します。なお、僕は、公務員試験や行政書士試験にも大学在学中に合格していますが、これらの試験においても法律をマンガで勉強することは有益であると思います。

 

司法試験に合格した後の僕でも、下記に掲げるマンガを使用して学習しています。

 

理由 

法律は、無駄に難解な言葉を使用しており、学習者に不親切。「学者畑」の悪影響が最も強い学問分野です。

例えば、憲法判例を読んでいて、「性行為非公然の原則」(有名なチャタレー事件です)などという表現が出てきたときは絶句しました。

なぜ、普通に「自分らの性行為って、普通他人に見せずに、隠れてするよね」って言わずに、わざわざ格好つけるんだろう、と。

行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益を有する者」の定義=

「処分により自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害されるおそれのある者」

「処分の名宛人ではない場合は、当該処分の根拠法規が、不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、これが帰属する個々人の個別的利益として保護する趣旨を含む場合は、法律上の利益を有する者と解される」

この文章の意味を、初見で理解できる学習者は存在するのでしょうか。

 

六法や基本書を読んでいると、意味不明な用語がたくさん出てきます。

また、大学の定期試験や資格試験では、裁判所の判断を示した「判例」を問う設問が頻出です。

「意味不明な言語」を使う法律相手の試験で、法律書を用いて学んでいてもよく理解できないと思います(今のあなたの現状を自己分析してみてください。法律書等だけで理解・記憶できているならば、この記事を閉じて勉強に戻りましょう)。

 

よく理解できないものを読んでいて、面白いですか。僕はつまらなかったです。そこで、司法試験合格後の現在の僕は、「マンガ」を使って勉強しています。理由は、以下のとおり。

1 書籍内で使われている言葉が平易でわかりやすい

2 絵から得る情報が多く、視覚的に理解・記憶できる(例:ハリーポッターの小説と映画、どっちが記憶に残りますか?)

3 マンガというライトな媒体なので、繰り返すことに苦痛を感じない

 

ここで「マンガだけで試験に受かるわけがない」という批判が来そうなので、お答えします。

確かにマンガ「だけ」で合格するのは厳しいかもしれません。

ただ、そもそもマンガに書かれている程度の初歩の法律概念や判例が理解ができなかれば、その先のステップにも進めません。

ひらがなが書けないのに、日本語の文章を書こうとするのに等しいです。

ですから、まずマンガで法律概念や判例を一通り理解した上で、その後に基本書や判例百選などの文字媒体での勉強に進むのが効率の良い勉強ではないでしょうか。

 

僕が現在も使っている法律マンガの例

民法判例

「マンガでわかる民法判例I〔総則・物権編〕」 分かりやすい。

「マンガで民法判例がわかーる。総則物権編」「マンガで民法判例がわかーる。債権編」 掲載判例数が豊富

民法改正

「マンガでわかる! 民法の大改正」

「司法試験or予備試験に多分落ちた」と思ったら今後すべきこと

結論:とりあえず結果発表までは何も勉強しなくていいんじゃないですかね。

受験した以上、あなたにも合格している可能性はまだ残っています。

現に僕も、予備試験及び司法試験が終わった後は、落ちたと思っていましたが、実際は合格してました。結果発表までの間は、何も勉強していません。

勉強を一旦始めても、試験当日のミスや合否が気になるなど、頭がモヤモヤして結局何も手につかなかったからです。また、ずっとフルスロットルで勉強し続けるなんて気が塞ぐからです。

数か月くらい休んだっていいんじゃないですか。一年以上ずっと休みなしで勉強していて辛くありませんか。頑張りすぎじゃないですか。

他のブログでは、「とりあえず勉強を継続しろ」的な論調が優勢だと思います。理想的にはそうだけどメンタルの健康を考えるとどうなんでしょうか。

 

※3つの例外(司法試験受験生限定)

英語学習と就職活動

○就職活動

名門事務所の就職活動は、司法試験終了〜合格発表の間に終了します。

最初のキャリアを名門事務所から始めたい人(ほとんどの人がそうだと思いますが)は、就職活動を頑張りましょう。なお、余談ですが、修習生間でも内定先の事務所を尋ね合うことは日常茶飯事ですが、超名門の中小法律事務所(阿部井窪片山、島田、潮見坂、桃尾松尾難波など)の内定持ちは一目置かれています。なお、意外にも四大法律事務所は、導入までは一目置かれますが、内定者数が多すぎるため実務修習あたりから「またか」という扱いです。

 

○英語

受験生や修習生に人気のある事務所では、業務で海外が関わってくる案件を扱う機会がある場合が多いです。このような事情から、英語ができる人材を求めている事務所は少なくなく、就職活動中も英語の能力はチェックされてます。

僕が見た中でも、とりあえず早々とTOEICの過去問を買い、(留学等に備えて)オンライン英会話に入会した修習生はそれなりにいました。外資系事務所の内定を持っている修習生は、僕に対し、「修習生は時間的に余裕があるから」と言って、月額6480円で受講回数が無制限のネイティブキャンプを強くプッシュしてきました。

プッシュに負けて、先月にやっと僕も入会しましたが、今こんな感じ(サボっているので、定期的にアップしよう笑)

f:id:SHIHOUnoINU:20200812231130p:image

 

○海外旅行(但し2020年中は除く)

司法修習生は海外旅行に行けません。貰った紙面には「修習生は、原則海外には行けない」とありますが、例外はほぼ認められていないらしいです。

 

社会人が司法試験合格を目指す方法【ロースクールと予備試験を比較】

私は、現在司法試験に合格した司法修習生ですが、今までに少なくとも50人以上の社会人経由の合格者に会ってきました。

社会人から司法試験を目指すには、何かしらの困難が待っていますが、今回は私が見てきた社会人経由合格者を分類・特徴解説していきます。

なお、主観は入っておりますので、その点にはご注意を。

 

タイプ1

勤めていた組織を辞めて、ロースクール未修に入学する(専業受験生になる)

司法修習生では、これが最多という感覚。

法律の学習経験が浅く、合格可能性が全く見えないにもかかわらず、今の生活を捨てて司法試験に専念するという意味で、本気度が最も高いイメージがある。法曹になることに対してのモチベーションも最も高い。

少なくともロースクール在学期間の3年分の貯蓄と、未修者ならではの集中学習が要求される。

財力のある人が多く、少しでも「良い」という評価のある教材は惜しみなく買っている印象がある。

 

 

タイプ2

勤めていた組織を辞めて、ロースクール既習に入学する(専業受験生になる)

そんなに多くない印象。

収入源を断って、受験に専念する点で、本気度が高い印象。

以前法学部等法律関係を学んでおり、一度は司法試験を断念したが、夢を諦め切れずにというタイプが多い。

 

タイプ3

勤めている組織は辞めないで、夜間のロースクールに通う(社会人兼受験生)

見た中では、わずか3人がこの部類。

仕事、ロースクールの授業と課題等やることが山積みで、時間的には最もタイトなグループだと思う。

リスクヘッジをしながら、ロースクールに通っており、「背水の陣」ではないので合格率は低めの印象(筑波夜間、日大夜間の合格率参照)。

私が見た人は、地頭も学歴もとてもいい人(一発合格)が2人、以前ローで三振したがもう一度チャレンジという蓄えのある人が1人。

 

タイプ4

勤めている組織は辞めないで、予備試験に挑戦する(社会人兼受験生)

タイプ2と同程度の割合という印象。「時間を金で買う」など、時間効率の意識が高い人が多い印象。

隙間時間に予備校教材を使いながら、コツコツ勉強していたという感じ。

割と一発合格も多く、費用(金・時間)対効果(合格)は最高だと思う。

※費用対効果が良いと思う理由

予備校の入門講座は、現在30万程度で受講が可能。

そして、タイプ1〜3は、司法試験の資格取得までに、2年間ないし3年間は少なくともロースクールに通わなければいけないところ、タイプ4で1年間で予備試験に合格すれば、他のタイプと比較して1年以上のアドバンテージがあります。

仮に、1年早く弁護士になれれば、初任給分すなわち600万円程度他のタイプよりも金銭的に得します。

※600万円という数字は、弁護士の求人サイト「ひまわり求人」の、新人弁護士の初年度給与欄をみると、多くの事務所が「600万円」を条件にしていることが根拠です。

ただ、勿論デメリットもあって、それは、予備試験に一発で合格できるとは限らないこと。

 

まとめ

私の肌感覚ですが、大体当たっていると思いますので、

社会人受験を目指している場合は、ご自分の特性を考えてどのルートを取るのが良いか検討してみてください。

 

 

法学部生・ロースクール生の法廷傍聴は何を見るべきか

※予備試験受験生(特に実務基礎と口述)にも役立つ内容です。

法廷傍聴の課題は、基本的に公判の手続を目で見て頭でイメージできるようにすることだと思います。

六法は必携品です。

なお、司法試験に合格した後の「司法修習生(私は現在ここ)」はデイリー六法、司法修習を卒業した法曹三者は、判例六法Professionalを使用する人が大多数。

 

で、学生等が法廷傍聴すべき事件ですが、

民事であれば証人尋問…①

刑事であれば

裁判員裁判…②

または裁判官裁判のうち

出入国管理及び難民認定法違反の不法滞在(オーバーステイ

覚せい剤取締法違反や大麻取締法違反の単純所持・単純使用…これらまとめて③

が適していると思います。

 

以下説明します。

 

①類型について

民事は、基本的に通常の期日であれば、以下の感じで進みます。

側から見ているとなんのこっちゃ分かりません。

裁判官「原告代理人or被告代理人準備書面を陳述しますね?」

原告代理人or被告代理人(A)「陳述します」

裁判官「それで、準備書面の第〇の〇段落目のここはどういう意味ですか?」→書面読んでないと意味分からん

代理人A「それは(説明)」→同上

裁判官「では次は被告代理人or原告代理人準備書面書く番ですね。準備にどれくらい必要ですか」

代理人B「1ヶ月くらいかと」

裁判官「では次の期日を決めましょうか」→裁判官と両代理人間で、何日は差支えなので行けない、何日何時ならOKなどのやりとりを繰り返す。

裁判官「じゃあ、次の期日は1ヶ月と1週間後の〇月〇日とします。被告代理人or原告代理人は、期日の1週間前までに書面を出してください」

 

さらに、多くの事件は弁論準備手続に付されます。弁論準備手続は非公開なので、傍聴できません。そして、残念なことに、事件の大事な部分は、弁論準備手続で大方進んでしまいます。

こんな感じなので、民事の法廷傍聴というのはあまりお勧めしません。

 

強いて言うなら、午後の期日に証人尋問があれば、それを傍聴することを勧めます。

午前に記録の閲覧を申請すれば、当日中に見られますので(東京地裁HP参照、150円払えば誰でも見られます)、記録を読んだ上で傍聴しましょう。記録中に出てきた書面に記載されている事項は、根拠を六法で参照しながら見るのもお勧めです。

なお、証人尋問をする事件というのは、これまでにすでに弁論または弁論準備で、争点が大分煮詰まっており、当事者の主張や書証が大方出尽している事件であって審理もいよいよ大詰め(結審間近)という段階にあります。ですので、記録を事前に読んでおくのはほぼ必須事項。

 

②類型について

裁判員裁判の公判は、「法廷内で裁判員が心証を取れること」を1つの大きな目標として運用されています。

通常の裁判官裁判であれば、書証は要旨の告知(刑訴305条、規則203条の2)、要するに要約形式で行うので、傍聴人が内容を理解することは難しいです。

しかし、裁判員裁判は、前記の目的を達成するべく、書証は全文朗読するという運用になっています。証人尋問もありますし、また、重大事件が多い裁判員裁判では被害者参加の手続きも見られることが多いです。

要するに、裁判員裁判は手続きのフルコースであって、さらに傍聴人もほぼ完全に内容を理解することができるという良い事づくめなのです。

そこで当ブログは、裁判員裁判の傍聴をお勧めします。

デメリットは、連日の長時間開廷であること(長期休暇を利用してください)、重大事件が多いので人気が高く、早めから並ばないと傍聴できない可能性があることです(なお、傍聴抽選事件は避けるのが吉)。公判前整理手続が見られないことは、公判の内容を理解する上ではさほど問題ではありません。裁判員と同じ条件ですし、公判前整理手続の結果は公判で顕出される(刑訴法316条の31)からです。

 

③類型について

これらは、1回結審で論告弁論まで行く(証拠調べを全て終えた上で、刑訴法293条の意見を述べる手続き)か、場合によっては即日判決(第一回目の公判で判決まで行く)という事件が多いです。

すると、1時間かそこらで一通りの手続きを網羅することができますので、法廷傍聴の目的をコスパ良く達成することができます。

なお、それぞれ「刑事事件の一通りの流れ」が一番の傍聴ポイントですが、以下にそれぞれの事件類型に特有の傍聴ポイントを記載します。

不法滞在であれば、通訳人の手続きや、被告人は、入廷時には手錠を付けられているが執行猶予付判決が出たときは345条により手錠を付けられていないなどが、事件特有の傍聴ポイントです。

薬物事犯であれば、起訴状の罪名部分が「覚せい剤取締法違反」「大麻取締法違反」「麻薬及び向精神薬等取締法違反」となっていること、証拠物の展示(刑訴306条)、領置した薬物の没収などが事件特有の見るべきポイントです。

 

 

 

 

 

ULTRA LEARNING 超・自習法 「直接性」について

司法試験終了後、読んだ勉強本の中で最も良いと思った本のうち、

これまで当ブログで紹介していなかった内容を含む本を紹介します。

 

スコット・ヤング著•小林啓倫訳

『ULTRA LEARNING 超・自習法 どんなスキルでも最速で習得できる9つのメソッド』

 

です。

この本の何が良いか、というと、

「直接性」、すなわち、ある最終目標がある場合に、遠まわりして勉強してから最終目標にやっとありつくのではなく、いきなりその最終目標についての勉強をしよう、と説いていることです。

他の章に書いてある、「学んだ事項はテストで定着させよう」とか「フィードバックが大切だ」などの事項は、今まで当ブログで紹介してきた本でも言われてきましたが、「直接性」について触れた本はありませんでした。

 

 

「直接性」とは何か、もう少し具体的に解説します。

 

例えば、皆さんは、中高6年間で英語を勉強してきました。

Q1あなたは英語を話せるでしょうか。

おそらく80%以上の方がNoと言うのではないでしょうか。

では、質問を変えて、

Q2あなたはセンター試験の英語の文法問題の大半を正解できますか。

おそらく当ブログ読者の大半の方がYESと答えるでしょう。

両者の違いは何か、というと、皆さんは英語を話すという訓練はほとんどしたことがないのに対し、センター試験の文法問題を解く訓練は十分な量を積んでいることです。

つまり、英語を話したければ、英語を話す練習をしろ、センター試験の文法問題で正解したければ、センター試験の過去問を解け、ということになります。

 

この本を読んで、僕が予備試験や司法試験に独学かつ短時間で合格できた理由が分かりました。

司法試験等に合格するためには、司法試験等で一定以上の点数を取らなければなりません。これが最終目標です。

では、僕がその最終目標達成のために何をしていたかというと、皆さんご承知のとおり、最初から、過去問を解きまくっていました。本書の「直接性」のルールを最大限に活かしていたのです。

 

PS

ところで、法曹になるために法律を勉強している皆さんは、紙の上での法律については詳しいと思いますが、その知識は、イメージの湧くような知識になっているでしょうか。

冒頭手続では何をするか。

と訊かれれば、人定質問→起訴状朗読→黙秘権告知→罪状認否と答えられると思いますが、実際に何をやっているかまでイメージできますか?

証人尋問で、証人が証言を始めるまでに、どのような手続きが行われているか。審理を分離する基準は何か。

これらに関しては、答えられない方も多いのではないでしょうか。

 

 

 

僕は、知識としては持っていたけれど、修習に来て初めて「使える知識」になったものがたくさんあります。

修習とは、司法試験で学んだ「紙上での知識」を、実務に対する直接性を持った「実務で使える知識」に変換する場だと思っています。

ですので、予備試験で法律実務を学ぶ方は特に、暇な時に法廷傍聴(刑事がおすすめ。一方、民事は記録読んでからでないと意味不明です。なお、記録は誰でも閲覧できます←民訴法91条。)や警察署見学、繁華街での職質現場を側から見る(普通に大人数で取り囲んでます)等、実際の現場を見てみてイメージを膨らませてみるのもおすすめです。

 

73期司法修習生の家計簿【給付金だけでは厳しい】

ご無沙汰しております。上手く寝付けず、暇なので、久しぶりに戻ってきてしまいました。

ご案内の通り、修習生の基本給付金は、月額13万5000円です(公開情報、なお現時点)。

周囲の修習生は、「足りない」ということで、さらに10万円の貸与を受けている人が多いようですが、我が家の両親は、その貸与に必要な連帯保証人となることを拒絶したので、僕は13万円5000円で回しています。

社会人出身修習生や親族等から支援を得ている修習生と比べると、僕の生活は慎ましいです。相当健全なほうであると思います。

 

例1:3月(支出少なめの月)

収入 基本給付金        13万5000円

支出 交通費(定期毎月固定)  2万円

   書籍           2万円

   国民健康保険       4600円

   修習生同士の集まり    6000円

   異動する指導担当への選別 3000円

   支出合計         53600円

収支       +81400円

 

例2:5月(支出多めの月、但コロナウイルスのため交通費かからず)

収入 基本給付金        13万5000円

支出 PC(corei5,8G,SSD512GBという中スペック)  89000円

   書籍代(中古で頑張った)          4000円

   家族への誕生日プレゼント代×2人      30000円

   NETFLIX (緊急事態宣言解除と同時に退会)1320円

   支出合計                  124320円

収支       +10680円

 

例3:2月(支出普通の月)

収入 基本給付金                13万5000円

支出 交通費(固定)              2万円

   書籍代(中古で頑張った)         1万円

   修習生同士の集まり            1万円

   娯楽費                  5000円

   懇親会                  5000円

   雑貨(傘、名刺入れなど)         4000円

   Bluetooth                 3000円

   使途不明金                25000円

   支出合計                 82000円

収支合計 +53000円

 

 

※食費が低い理由 弁当とマイ水筒を持っていきます。

※被服費が低い理由 平日はスーツで、休日は(お金がかかるので)家に籠っており私服を購入する必要性を感じませんでした。   

国民年金について

前年度所得が低いので、納付猶予申請をしました。

https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

国民健康保険料については、被保険者である僕を「国民健康保険上の世帯主」(※住民票上ではないので注意)にすることで保険料を安くできました。

基本的には、国民健康保険料は世帯主(うちは父親)の年収ベースで計算されるところ、父親が国民健康保険の加入者でなく、かつ、僕の前年度年収が父親より遥かに低かったので、自分を「国保上の世帯主」(擬制世帯主)とすることで、保険料が自分の年収ベースで計算されるのです。

市役所に行った際に、自己を擬制世帯主としたい旨伝えれば、書類をもらえたので、これに父親の署名押印をもらって提出するでした。

www.mhlw.go.jp

 

 

 

最後の挨拶

司法試験に合格しましたが、未だ僕好みの美女から交際の申し込みはありません。

司法の犬*1です。

 

 

予告通り、ブログの更新を停止します(数年後に情報が風化すれば削除します)。

また、Twitterを閉鎖します(ブログと内容がかぶっているので不要でしょう)。

※今後いかなる場合でも、司法の犬の名で活動することはありません。

司法の犬の名を騙る者がいればそれは偽物だと断定してください。

 

司法の犬の戦歴(簡易版)はこちらです。

2018年予備試験初受験*2

(受験者ID上4桁から2018年初受験であることが分かる)

f:id:SHIHOUnoINU:20190922100608j:plain 

 

2018年予備試験成績

shihounoinu.hatenablog.com

shihounoinu.hatenablog.com

shihounoinu.hatenablog.com

 

2019年司法試験成績 

shihounoinu.hatenablog.com

f:id:SHIHOUnoINU:20190922102150j:plain

 

 

正直に言って、僕は他の司法試験受験生に比べて全然努力していないと思います。

勉強期間も短く(予備受験まで1年未満)、1日あたりの勉強量も少ないので…

それでもトントン拍子で予備試験にも司法試験にも合格できたのは、『使える脳の鍛え方』『進化する勉強法』などの書籍から効率的に知識を吸収する方法論を知ったのが大きかったと思います。

shihounoinu.hatenablog.com

(この方法論を試験勉強に取り入れたのは、去年11月頃~で日が浅いというのは内緒。それでも予備から司法にかけて成績は伸びているので、記憶の定着度が非常に高くなるのみならず、即効性もあるのでしょう。)

 

 

最後のお願いになりますが、

このブログを読んで効率的な勉強法や人によっては司法の犬の社会不適合な思考回路)を知った方は、ぜひそれを周囲の人々やお子様など次の世代にも広めてほしいです。

 

僕は大学生時代、日本の教育水準の低下を憂慮していました。

文部科学省に入省して今すぐ政府高官になり、AO入試を禁止する方向に持っていきたいという妄想すらしていました。まあ、無理な話なのですが…

 

そこで、問題の本質はどこなのかと考えると、別にAO入試を潰さなくても、

若者らの学力が向上すればいいんじゃないの?と思うようになりました。

 

というわけで、皆様。

このブログをお読みの皆様は世間的に相当学力水準の高い方ばかりであると思います。

そんな皆様が、お子様を持った時、科学的に正しい勉強方法をお子様に伝えて無駄な苦労をさせずに成績を伸ばしてあげてください。当該方法論を知っているか否かで成績の伸びは大分変わります。そして、お子様に勉強への興味をもたせてあげてください。学歴が良い方が収入も良い傾向がありますから、その点でも学力を伸ばすことは良いことだと思います。

 

そして、お子様の学力が高くなった場合、保護者同士で「お宅の息子さん/娘さんは、頭良いね~どうしたらそうなれるの?」という会話が必ず出てくると思われます。

その際、友達の保護者にも科学的に証明された方法論をぜひ伝えてください

 

このように効率的な方法論を伝播していくことで、皆様の周りから少しずつ、この国の将来を担う人材の学力向上を図ってほしいというのがお願いです。

 

以上

 

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*1:ちなみに、「司法の犬」の名前の由来をまだ伝えていなかったのでお話します。僕は全く犬好きではありません。司法試験もしくはブログ開設当時受験を検討していた司法書士の奴隷、つまり、僕は「司法○○」の忠実なペットであるという自虐的な意味で付けました。

*2:おそらく僕をよく思っていない方から「あなた本当に初受験での予備合格か?」とのコメントが複数届いておりますので、証拠の画像を提示します。画像は予備試験短答試験の成績表です。