下記記事を改変し、記事作成時点の情報に基づいて作成しました。
shihounoinu.hatenablog.com
記事の通りに勉強しても合格が保証されるわけではありませんが、参考になれば。
僕の自己紹介(知ってたら飛ばしてください)
1996年度生まれ、2018年予備/2019年司法試験合格。73期司法修習を経て弁護士。
法学部法律学科の出身ではなく、2017年(大3)夏休みから予備試験の学習を独学で始めました。
独学は好きでやったのではありません。当時は予備校費用が高く、とても払えなかったため不本意ながら独学しました。
基本方針3原則
勉強の3原則は、
①正しい戦略を取ること=ネット予備校を利用すること
②正しい勉強方法を取ること
③自分に無理をさせないこと
①正しい戦略を取ること=ネット予備校を利用すること
結果的に1発合格できたのでよかったですが、もし1発合格できなければ1年・2年…の時間を失います。加えて、(年収)× (合格が遅れた年数)のお金も失います。
予備校に通えば、教材、勉強の方法や順序、勉強範囲の指定、理解を助ける噛み砕いた説明…など、時間を節約して合格可能性を上げる環境が整っています。
なので、予備校に通うのがベターだと考えます。
ただ、対面型の予備校に通うことは疑問です。授業内容はネット予備校と変わらないのに、「リアル店舗型予備校に特有の経費」が受講料に上乗せされるからです。
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②正しい勉強方法を取ること
予備試験受験期は、科学的に正しい勉強方法を知りませんでした。
司法試験受験期には、心理学者がその効果を証明した(=ほぼ万人に効果的な)勉強法を取り入れました。
おかげで、勉強時間が予備試験時代に比べむしろ少なくなったのに、予備試験より自信をもって本番に臨めました。
僕が今でも取り入れている勉強法は以下の2冊。必読です。
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上記2冊の概略はこの記事をチェック(司法試験の勉強法最新版 - 予備試験を独学・1年で受験してみた)
③自分に無理をさせないこと
予備試験及び司法試験時代、両親が定年間際、下の兄弟2人は私立学校に通っていました。
なので、受験浪人はできないと考え、予備試験の受験年であった2018年(大4)には予備試験と並行で民間企業及び公務員の就活をしました。
・予備試験の短答試験(5月)前に複数社(含:公務員試験)受験
・短答試験〜論文試験(7月)で5社以上(同上)受験
・論文試験終了後も複数社受験
…と鬼のスケジュールをこなしました。
スケジュール的にも精神的にも無理をしましたが、余裕(バッファー)を設けないと「予備試験合格」という目標達成を阻害しかねないとことを後で知りました…
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【シミュレーション】2023年頭から2024年予備試験合格を目指すとしたら何をする?
前提:大学生、無職又は労働時間が非常に短い
理由:僕が予備試験を1年未満で合格した時は大学生でした。時間がある場合以外を前提にシミュレーションできません。
上記「基本方針」で掲げた3原則に従って計画を立てます。
僕だったらアガルートアカデミーを受講します。
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アガルートにする理由は、以下の通り。
・ネット予備校なので自分のペースで進められる、リアル店舗型予備校より安い、通学不要
・HPに「司法試験合格者占有率 45.3%」と記載があり(記事作成時点)安心感がある
・先輩(73期)にアガルート出身で早期合格者の知り合いが複数いる安心感
選ぶ講座は、無難に【2024・2025年対応】予備試験最短合格カリキュラムにします。
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理由は、
・予備校のフルコースに乗っかって勉強すると迷い・無駄がない又は少ない
・基礎講座、問題演習講座、過去問講座と、内容が必要最低限かつ十分に揃っている
・オプションなしでも100通も添削をしてもらえる
・僕はオプションの通信指導やラウンジ指導は要らないし、進捗管理は自分でできる
しかし、独りでは不安な方・お金に余裕のある方がオプション付きを使うことは否定しません。ライザップが好きなタイプの人には向いてそう!
もっとも、添削回数の多いオプションプランを購入するより、必要な時だけ単発でココナラで添削を依頼した方が経済的だと思います。
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(2023年2月3日追記)まとまったお金がない方に朗報ですが、アガルートは2023年5月31日までの期間限定で、
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詳しくは、アガルートHPをご確認ください。
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問題集について
予備校テキスト以外に市販の問題集を買うべきかという質問をよく受けます。
予備校に通うなら、以下のようにするとよいです。
・予備校の問題集に論点網羅性があるのであれば、市販の問題集は使わず、予備校の問題集のみを使用します。なお、アガルートの重要問題習得講座には網羅性があるので、アガルートを利用する場合には市販のものは買いません(ただし、選択科目のみ市販問題集を購入します)。
・予備校の問題集に網羅性がない/予備校の講座に問題集が付属しないなどの場合は、論点網羅性がある問題集を1冊だけ購入し、それを繰り返します。
考え方の前提は以下の通り。ポイントは、逆算です。
予備試験に合格するには試験問題を解けなければなりません。
→試験問題を解けるようになるには、問題演習をしなければならない(上掲書籍『使える脳の鍛え方』『進化する勉強法』参照)。
→そこで、僕のやり方は、
・最初期のインプットの時期は短く
・インプットを終えた後は、問題演習が勉強の中心(勉強時間の8割以上が演習)
・論文試験の勉強で全体像をつかんだ後で、短答の細かい知識を仕入れる(俯瞰→細部の流れの方が頭に入りやすい)
【アガルートアガデミーを利用する場合のモデルスケジュール】
以下はモデルケースです。
~2023年8月31日まで:各科目順次、総合講義300→論文答案の「書き方」→重要問題習得講座の順で視聴する
これらの講座は問題を解くための前提知識です。できる限り早く終わらせ、早期に問題演習に移りたいです。2023年8月31日までには全科目1周目を終えたい。
配信が開始されている科目から順次、「総合講義1周→論文答案の「書き方」1周→重要問題習得講座の周回」を行います。
また、総合講義300受講中(=インプット期)に全く問題を解かなくてよいわけではありません。問題を解くことで記憶が定着するので、スキマ時間で問題演習です。
この時期は、インプット講義を受けた分野の一問一答を、講義を受けた日及びその他時間に余裕がある時に解くと、次のステップ(重要問題習得講座以降)にスムーズにつながると思います。
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重要問題習得講座の1周目及び2周目以降についてコメント
総合講義及び論文答案の「書き方」を視聴し終わった科目から順次、重要問題習得講座の受講を進めましょう。
講義を受講する前に予習=何も見ずに問題を解くことを推奨します。何も見ないのは、思い出すことで記憶が定着するからです。
(テキストを見ながらの回答は、基本方針②で触れた勉強法「思い出すことで記憶の定着を図る」に反し、勉強の効果が薄れます。)
不明な点は、予習答案を作成した後で講義を見る前に、総合講義300のテキストを見返すのがよいでしょう。
重要問題習得講座の中で解説を聴いた問題については、スキマ時間に、回答を紙に書かずに頭の中で(以下断りない限り同じ)解き直します。
なお、僕の勉強法の核は、
①問題演習の回数を増やす=思い出す回数を増やす:書くと1問にかける時間が長くなり、解く問題数が減る(但し、理解に必要なら書いてもOK)
②科目を頻繁に替える(1問ずつ別科目の問題を解くのが理想)
③30分程度勉強したら休憩。目を瞑って新規の情報をシャットダウンする
でした。
問題演習の際は解説を読み、解説を読んでもわからなければ総合講義300のテキストを参照しましょう(以下問題演習の際は同様)。
2023年9月1日~同年10月19日頃:重要問題習得講座で問題演習を継続。並行で法律実務基礎科目対策講座の視聴を完了する
予備試験過去問講座及び旧司法試験過去問講座を解く前に、基礎固め(基本問題である重要問題習得講座の内容をある程度定着させる)をします。
これ以降、重要問題習得講座(及び後に触れる選択科目の問題集)の繰り返しは、受験生活における核とします。
予備試験は経験上、基本問題において論点を判別し、論証が完璧に書け、ある程度の当てはめができていれば合格できると思うからです。
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また、この時期に上記の重要問題習得講座演習とは別に、法律実務基礎科目の講義を視聴しましょう。視聴完了部分につきその都度、下記問題集での演習を開始して、この時期に各問題を1周したいです。
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2023年10月20日頃~2023年11月30日頃:予備試験論文過去問解析講座及び旧司法試験論文過去問解析講座の1周目を終わらせる
上記の通り。
スキマ時間は、受講した各論文過去問講座(予備試験論文過去問解析講座及び旧司法試験論文過去問解析講座)の解き直し。
余裕があれば、重要問題習得講座及び法律実務基礎科目問題集の解き直しも。
2023年12月1日頃~同月31日頃:今までに扱ったアガルートの問題講座の解き直し
問題集の解き直しはいくらしすぎても、しすぎるということはありません。
基本問題が完璧に解ければ、余裕を持って試験に合格できると思います。
2024月1月1日頃~2024年2月15日頃:選択問題講座の受講及び問題集での演習
論証の「使い方」講座だけ受講を後回しにします。
講義→過去問解析講座→市販の問題集の順で進めます。
いずれも俯瞰的理解を目的にしており、概観→細かい所の順で勉強したいからです。
選択科目は、講義に付属する基本問題集がないので市販問題集を利用します。
僕は労働法選択だったので*1労働法の話しかできませんが、労働法であれば、論点の網羅性が高い『事例演習労働法』を使用します。
僕はホームランは狙わず、どんな問題が来ても一定水準の答案を作ることを目標にするので、問題集には論点の網羅性を求めます。
スキマ時間は、基本7科目及び選択科目の問題演習をします。
『事例演習労働法 第3版補訂版』
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2024年2月15日~2024年3月31日:論証集の「使い方」講座を受講。同時に、重要問題集習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集及び各論文問題過去問講座を解き直し(スキマ時間も同様)
この時期が始まる前には、重要問題習得講座は4~5周以上しており、特に基本7科目については論文問題を解ける基礎は固まっていると思います。
この時期に知識にさらなる磨きをかけたいです。そこで、この時期の初めに論証集の「使い方」講座(選択科目含む)を受講し、基本的な論証の復習をします。
その後、論証集で得た知識を定着させるため、重要問題習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集、各論文過去問講座を繰り返し解き、論証の知識を定着させるとともに論文問題の論点判別・解答の精度を上げます。
この時期で論文に関しては合格レベルにまで達することも可能かと思います(但し、短答対策集中期間を挟むと論文への対応力が落ちる場合あり)。
また、この時期から1~2週間に1通程度、本番同様に答案を紙に書く(起案する)ことで自分の弱点を知る(知識の正確さ、時間配分の適切さ等)ことができれば理想です。
本番を見据えた予行演習という意味で、起案する問題は予備試験の過去問が理想。
起案した問題は添削を受け、添削を受けた後にもう一度起案し直すとベスト。
この時期において、重要問題習得講座及び選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集、各論文過去問講座を各2周以上はしたいです。
2024年4月1日頃~7月中旬(短答試験本番):短答対策・強化期間
この頃から短答対策をするのが現実的と思います。
これより遅いと短答試験の合格が怪しくなるかもしれませんし、これより早いと最難関の論文試験の対策が疎かになりかねません。
まず、短答講座(Ⅰ:20時間、Ⅱ:125時間、過去問:97時間)を受講しましょう。
もちろん予習の際に問題を解きます。短答の場合はア〜オ等の記号を書くだけなので講座受講前の予習で回答は紙に書きましょう。
スキマ時間は短答問題の演習が中心です。アガルートの短答講座には全年度の過去問が含まれるようなので、それのみを使用します。
初期に使用した資格スクエアのアプリやその他の市販の問題集等は一切使用しません*2。
短答講座全部を視聴した後は、短答問題をひたすら解きます。短答試験本番までに全科目最低5周したいです。
ところで、僕は受験生時代、この時期に短答対策に集中しすぎて論文の実力が落ちることを懸念していました(受験生の中にはそうなってしまう人もいたようです)。
ですので、この短答対策期間においても、論文問題を少しだけ演習します。答え合わせを含め1日30分~1時間程度で収まるくらいの演習量(僕なら1日3~6(選択科目含む)科目×各科目1問ずつ=合計3~6問)を、頭の中で演習します。
試験本番前は体調にも配慮し、夜更かしはしないで下さい。
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2024年7月中旬(短答試験終了)~9月上旬(論文本番):重要問題習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集及び論文過去問講座の解き直しがメイン。予備試験答練と法律実務基礎科目答練をペースメーカーに
重要問題習得講座はこの時期に解く回数を含め累計8~10周以上、その他の問題集及び論文過去問講座は累計5~6周以上できればよいです*3
ただし、たとえ短答集中対策期間までに上記の周回数を既にこなした場合であっても、この短答試験と論文試験の間の時期に各問題を最低2周はします。
やっぱり本番前にしばらく解かないと忘れるからです。
本番で答案用紙に書けなければ今までの努力も水の泡。
直前期には記憶のメンテナンスとして、特に重要問題習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集といった論点網羅的な問題集は解き直します。
また、論証集のチェックも問題演習と並行してコツコツ行えるとよいですね。
そして、アガルートのカリキュラムにある予備試験答練及び法律実務基礎科目答練は、全科目しっかり答案を書き(起案し)ましょう。
本番のシミュレーションとして、回答時間等は本番同様の環境で解きます。
試験本番前は体調にも配慮し、夜更かしはしないで下さい。
論文試験終了後~論文試験合格発表:好きにするがよい
理想は口述に備えて勉強することですが、僕はやる気が起きませんでした。なので、毎日公園で2時間くらいぼーっとした後、アニメ『メジャー』を見ていました。
頑張れるなら、スキマ時間くらいは法律実務基礎科目(口述試験の科目)の解き直しを中心に勉強してもいいかも。
論文試験合格発表~口述試験(僕が受験した2018年は10月下旬でした):2週間ちょっとしかありません!!!
死に物狂いで法律実務基礎科目の勉強。口述模試は受けよう。
民事は要件事実がメインで、あとは要件事実以外の民法、民訴法の知識がちょっと。
僕は弁護士職務基本規程の問題が出なかった人ですが、受任不可事件や利益相反をはじめとする頻出問題は答えられるようになりたい。が、弁護士倫理の深追いは禁物。メインじゃない。
でも、皆さんはこの期間に0から詰め込むのではなくて、これまで知識を積み上げてきているはずなので、多分大丈夫*4!
刑事は刑法と刑訴法、刑訴規則の基本的知識があれば大丈夫。
試験本番前は体調にも配慮し、夜更かしはしないで下さい。
論文試験に合格していれば確率的に口述試験もほぼ通ります。
緊張したり不安になるのは(思い出したくないほど^^;)分かりますが…ホテルでテレビでも見ながらハーゲンダッツでも食べてリラックスするといいと思います!
一般教養講座は僕なら見ません
一般教養の対策講座は僕なら見ません。
が、講義時間は長くないので、一般教養問題に不安があり、かつ時間的余裕があるならスキマ時間で聞き流してもいいかも。
僕は一般教養は無対策で合格しました。対策している人の方が少数派かと。基本的には一般教養は対策しないでいいんじゃないかと思います。
最後にひとことアドバイス
以上を参考にしてもよいですが、ご自身の状況に合わせて柔軟に変更してください。
タスクは後回しにしない方がよいですが(むしろ上記記載の時期より前倒ししたいくらい!)、仮に思い通りに行かなくとも自分を責めないように。
短期での合格を目指すということは、裏を返せば他の受験生よりスタートが遅いということになりますから、方向性はさっさと定めて勉強に取り掛かりたいですね!
上記シミュレーションで用いたオンライン予備校講義(おすすめです!時期によっては割引もあります)
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