予備試験を独学・1年で受験してみた

非法学部生が独学・1年未満で予備試験に挑戦してみました。勉強で悩んだときに来れば、悩みが解決されるようなブログを目指します。

令和元年司法試験 憲法 再現答案

評価予想や議論のネタにしてもらうのは構いません。

一切の転載・複写をご遠慮願います。

憲法 再現答案】

第1 立法措置①

1.フェイク・ニュース規制法(以下、「法」)6条は、虚偽表現をする自由(以下、「自由1」)を侵害し、違憲か。

2.まず、虚偽表現を虚偽と知りながらする自由は「表現の自由」として憲法21条1項(以下、法名略)により保障される。

この点、自由1は、自己の思想を外部に表明するものではないから表現の自由として同項により保障されないとの反論がありうる。しかし、虚偽表現をすることによって現在の社会の状況に異を唱えるなど、思想を表現している場合もありうるのだから、自由1は同項により保障される。

3.そして、法6条は「何人も…虚偽であることを知りながら、虚偽表現を流布してはならない」と規定しており、虚偽表現をすることが全面的に禁じられているから、自由1は制約されている。

4.ア.そして、自由1は自己の人格形成・発展を図る自己実現の価値と政治意思決定に関与する自己統治の価値を有し、重要な権利である。

反論として、虚偽表現を虚偽と知りながらすることによっては人格の形成発展につながらないし、また、政治的意思決定に関与するものでもないから、自由1は重要な権利とは言えない、というのがありうる。しかし、上記のように虚偽表現をすることによって現在の社会の状況に異を唱えるなど、思想を表現している場合もありうるのだから、自由1は自己実現・自己統治の価値を有する重要な権利であるといえる。

イ.また、6条は虚偽の表現そのものを流布することを全面的に禁止しているから、自由1に対する事前抑制であり、思想の自由市場への登場を妨げるため、制約の態様は強い。

5.よって、法6条が正当化されるかは①目的が必要不可欠であり②手段が目的達成のため必要不可欠か、によって決する。

ここで、出版物の事前差止めの判例においては、①事実の公共性②目的の公益性③事実が真実であるか、または真実と信じるに足りる相当な理由があること、という規範を用いて合憲性を判定した。しかし、同判例は名誉権との対立が問題となった事案であるから本件と事案を異にする。よって、上記の基準によるべきである。

6.ア.本件では、法6条の目的は、虚偽の表現により社会的混乱が生じることを防止すること(法1条)にあり、かかる目的は必要不可欠である。

反論として、以下がありうる。すなわち、虚偽表現によって社会的混乱が起きるのは、虚偽表現であることを見抜けない情報の受け手側に起因するものであるから、これらの者を教育すべきであり、右目的は必要不可欠ではない。

しかし、虚偽表現により社会的混乱が生じた場合、場合によっては人の生命や身体に危険が及ぶ場合もあるのだから、法6条の目的は重要である。

イ.反論として、社会的混乱を一切生じさせないためにはあらかじめ事前規制の方法によることも必要不可欠である、というのがあり得る。

しかし、虚偽表現がなされたあと、かかる表現を見た他者が、これが虚偽であることを発信し、注意喚起するなどの方法によっても社会的混乱は防ぎうる。また、法25条は法6条違反に対して罰則を設けている。これらの事情からすると、虚偽と知りながらする虚偽表現の思想の自由市場への登場を妨げる法6条は過度な制約である。

7.よって、法6条は自由1を侵害し違憲である。

第2 立法措置②

1.法9条1項、2項はSNS事業者が特定虚偽表現を削除するか否かを決定する自由(以下、「自由2」を侵害し、違憲か。

2.自由2は、「表現の自由」として21条1項により保障される。

以下のような反論がありうる。すなわち、SNS事業者が特定虚偽表現を削除するか否かを決定することは、自己の思想を外部に表明するものではなく、同項で保障されない。

しかし、通常、SNS事業者はある表現を削除するかあるいは残しておくかについての内部基準を有しているのが通常であり、かかる内部基準に自己の思想が表現されているといえる。よって、自由2は同項で保障される。

3.また、法9条1項柱書は、同項各号に該当する場合に「特定虚偽表現」を削除しなければならないとしてSNS業者に対して特定虚偽表現の削除を義務付けており、また、同条2項はSNS業者に対して特定虚偽表現の削除を命じうる旨規定しているから、特定虚偽表現を削除するか残しておくかを決定することを認めておらず、自由2を制約する。

4.ア.自由2は、上記のような自己実現の価値・自己統治の価値を有する重要な権利である。

イ.また、法9条は特定虚偽表現であることを理由にSNS事業者にかかる表現の削除を義務付けているから内容規制であり、制約の態様は強い。

反論として、法9条1項柱書は「選挙運動の期間中及び選挙の当日」に期間を限定しており、内容中立規制であって制約の程度は強くない、というのがあり得る。

しかし、同条は特定虚偽表現であることを理由にSNS事業者に削除を義務付けているのだから、内容に着目したものであり、内容規制である。

ウ.もっとも、選挙には公務としての側面があるから合憲性判定基準を緩めるべきである。

この点、選挙犯罪者の選挙権を剥奪した公職選挙法の規定を合憲とした判例があるが、同判例は自ら選挙の公正性を害した者であり、本件とは事例を異にするとの反論があり得る。

しかし、選挙は民主政治の基盤であるから、選挙にはその本質として公正性が要求される。

5.よって、法9条1項、2項の合憲性は①目的が重要か②手段が目的達成のため、実質的関連性を有しているかによって判断する。

6.ア.法9条1項、2項の目的は特定虚偽表現につき、SNS事業者に削除義務を課すことで選挙の公正を確保すること(法1条)であり、かかる目的は重要である。

イ.また、法9条1項各号は「虚偽表現であることが明白であること」「選挙の公正が著しく害されることが明白であること」などと対象を限定している。

反論として、法9条2項に違反した場合、法26条は罰則を定めており制約が過度であるというのがあり得る。

しかし、法9条2項は、SNS事業者が同条1項の義務に従わなかった場合に特定虚偽表現の削除を命じうるものとしており、段階的な規制となっている。さらに、法15条3項、4項は、法9条2項の削除を命じうる委員会につき、党派的な偏りを排除して公正を保つよう配慮している。よって、規制は過度とはいえない。

ウ.また、法9条1項2項に目的適合性があることは明らかである。

以上より、法9条は

第3 法20条の合憲性

法20条は9条2項の規定による命令を発するにつき、行政手続法3章の適用を排除しているが、31条に反し違憲か。

31条は本来刑事手続について定めた規定であるが、行政手続によっても人権侵害のおそれがあり行政手続であることをもってその適用を排除すべきでない。もっとも、行政活動は多種多様な目的でなされるから、事前の告知・弁解・聴聞の機会を与えるか否かは、制約される権利の種類・内容・制約の程度と、公益目的の内容・程度・緊急性を比較較量して決すべきである。

本件では、SNS事業者の自由2が制約されているところ、かかる自由は自己実現・自己統治の価値を有する重要な権利である。また、法9条2項はSNS事業者の上記内部基準にかかわりなく特定虚偽表現の削除を命ずるものであるから、自由2を直接的に制約しており、制約の程度は強い。他方、公益目的は、選挙の公正を確保することであり、選挙の公正を図ることは上記のように重要であるから、その必要性が高い。また、選挙期間は2週間しかなく、期日前投票の制度もあることから速やかに選挙に影響を与える特定虚偽表現を削除する必要があり緊急性は高い。

以上から、微妙な事案ではあるが、公益の必要性・緊急性が高いことから法20条は31条に反せず合憲である。                         以上

 

【雑感】

・あてはめ下手すぎ(試験中から思ってた)。

・事前差止めの判例の規範を間違えたことに再現答案作成中に気付く。

・ナンバリングを、1.2.…の次は(1)(2)…のはずなのにア.イ.にしてしまった気がする。答案を書きなれていないツケが回ってまいりました。特定答案とならないことを願うのみ。

・答案構成に時間かけすぎて、明確性原則(21条、31条)は省略した。

司法試験あるあるだが、答案構成用紙だけは充実してしまっている。

・自由2については、「忘れられる権利」判決を参考にしたつもり。もっとも、これが答案上に表現されているといえるか微妙だが…

 ・過去の採点実感には「求めているのは具体的な事例の分析」としつこく書いてあったので、具体的な事例の分析をしたつもり。

・自由2なんで目的適合性あとに書いてるん…?汗

 

【使用教材】


憲法判例百選1 第6版 (別冊ジュリスト 217)

→公法系は判例がとくに重視される科目のため、さすがにやらねば他の受験者に差を付けられると思ったため。


司法試験・予備試験 逐条テキスト (1) 憲法 2019年 (W(WASEDA)セミナー)

→辞書的な役割。問題演習をしていて、不明な点や理解があいまいな点があれば使用。


司法試験・予備試験 スタンダード100 (1) 憲法 2019年 (司法試験・予備試験 論文合格答案集)

→わがメインテキスト。


司法試験予備試験 新・論文の森 憲法 上

→上巻(人権)のみ再び使用することとした。新論文の森がこんなにも解説や答案の質が高いテキストだったとは…予備試験終了後にようやく気付いた。

 にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ
にほんブログ村

令和元年司法試験 労働法 第2問 再現答案

評価予想や議論のネタにしてもらうのは構いません。

一切の転載・複写をご遠慮願います。

【労働法 第2問 再現答案】

  • 設問1

1.X組合は労働委員会に対し、支配介入(労働組合法7条3号、以下労組法)を理由とするポストノーティス命令を求めて不当労働行為救済申立(労組法27条1項)をする。また、X組合は裁判所に対し、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)をする。

2.(1)ア.Y社が本件労働協約(以下、「協約」)29条に基づいて、X組合が作成し貼り付けたビラ(以下、「本件ビラ」)を撤去した行為は「支配…介入」(労組法7条3号)にあたるか。

「支配…介入」とは、労働組合の自主性・団結力・組織力を損なうおそれのある行為をいう。

とすれば、「支配…介入」にあたるといえるためには、前提としてX組合が本件ビラを掲示板に貼り付けたことに組合活動の正当性が認められる必要がある。

(2).組合活動の正当性は認められるか。

まず、X組合が本件ビラを掲示板に貼り付けたことは本件労働協約27条に基づくものである。そして、協約28条、29条はビラの内容に制限を設けているところ、かかる規定は企業秩序維持のために必要であり、使用者の管理権の濫用とは言えない。よって協約28条、29条は有効である。

もっとも労働協約により組合活動を認められている場合であっても、無制限に許されるわけではない。労働組合は組合員の経済的地位の向上を目的としており(労組法2条柱書)、その活動に一定の公的役割を期待されている。とすれば、労働組合は自己の行為の結果が他の国民の自由権・財産権などの基本的権利を害することのないよう配慮すべき義務がある。

よって、組合活動の正当性があるかは、組合活動が社会的通念上相当といえるか否かにより決する。

本件では、本件ビラには「不当な賞与査定である」「上司によるセクハラ行為である」との内容が書かれている。しかし、Aの賞与がゼロとなったことには、Aが度々5分ないし10分の遅刻をしていること、業務上のミスが多いこと、という正当な理由がある。また、Aの賞与がゼロなのは、Aが上司の誘いを断ったことが真の原因ではないかという議論は苦情処理委員会でも検討されているところ、X組合側委員はセクハラがあった、会社側委員はセクハラは事実無根でありなかったというように協議は平行線のまま終了しており、その真偽は不明である。にもかかわらず、上記のようなショッキングな内容のビラを作成し、掲示板に貼り付けたことは社会通念上相当とされる限度を超えている。

また、本件ビラには「Y社の対応はセクハラを隠蔽しようとするものでコンプライアンス上重大な問題がある」とも記載されているが、上記の理由により社会通念上相当とはいえない。

本件ビラには「Y社は正当な理由なく団体交渉を拒否している」という記載がある。これに対し、Y社はそもそも個人の査定等の問題は集団的労使交渉にはなじまないから、苦情処理委員会を設けたのであって、また、苦情処理委員会において物別れに終わっている以上、これ以上説明することはないということを理由に団体交渉を拒否しているが、本件ビラのこの部分は理由がある。なぜなら、「正当な理由なく」(労組法7条2号)といえるためには義務的団交事項にあたればよいところ、労使対等による労働条件の決定という労組法の趣旨(労組法1条1項)に鑑みれば、義務的団交事項とは①労働条件その他労働者の待遇または労使関係の運営に関する事項であって②使用者が処分権限を有しているものをいう。本件ではAの賞与は①労働条件に関するものであり②Y社が処分権限を有しているから義務的団交事項に当たる。よって本件ビラの右記載には理由がある。

しかし、本件ビラを全体としてみれば、社会相当性が認められないことに変わりはないから、このことは結論を左右しない。

よって、X組合の本件ビラ貼りは、組合活動の正当性が認められず、本件ビラは「会社の信用を傷つけ、…個人をひぼうし、事実に反し、職場規律を乱すもの」として協約28条違反があるから、Y社が同29条に基づいて本件ビラを撤去したことは正当である。

以上より、ポストノーティス命令は認められない。

  • 設問2

1.X組合は労働委員会に、Y社に対するチェックオフ命令を求める。

2.まず、チェックオフは、「賃金の一部」を「控除」するものであるから労働基準法(以下、労基法)24条1項但書の要件を満たす必要がある。

本件では、Y社がチェックオフについて定められた本件労働協約につき、90日前の解約予告をして解約されているから、労組法15条3項および4項により本件労働協約は解約されている。また、新たな労働協約も締結されていない。

よって、同項但書の要件をみたさず、チェックオフ命令を出すことはできない。

3.もっとも、このような場合でも労働委員会はチェックオフ命令を出せないか。

救済命令制度の趣旨は、正常な集団的労使関係秩序回復のため、労働委員会に広い裁量を与えたものである。とすれば、救済命令が正常な集団的労使関係秩序回復のために必要かつ相当と言えない場合には、救済命令は裁量の逸脱・濫用として違法となる。

本件では、上記のようにX組合とY社の間に労働協約がなく、労基法24条1項但書の要件をみたしていないところ、チェックオフ命令が出されればX組合・Y社間に労働協約が締結され、X組合の組合員とY社の間にチェックオフについての委任があったのと同様の状態を作出してしまう。これは、右のような協約締結・委任がないにもかかわらず、あるかのようにしてしまう点で、現実からかけ離れたものである。

また、上記の事態は、労働者に賃金の全額を受領させて労働者の経済生活の安定を脅かさないようにするという労基法24条1項の趣旨にも反する。

よって、チェックオフ命令は正常な集団的労使関係秩序回復のため必要かつ相当といえず、労働委員会はチェックオフ命令を出すことはできない。

                                 以上

 

【雑感】

・第2問は何書けばいいか本当に分からなかった。本当に困った。

・設問1→おいおいおい、協約に根拠あるよ。典型論証パターンが使えない…汗

あと、団交拒否のねじこみがムリヤリすぎる!

・設問2→X組合往生際悪すぎだろ…あんたら何の救済を求めようっていうんだ…何にもわからないホントに。

 

【使用教材】

 労働法は法学部と共通の授業があったため、それを受講しました。

つまり、労働法は完全独学ではありません(同じ大学、同じ授業受けてた人いらっしゃると思いますが特定、公表しないでください)。

 
フロンティア労働法〔第2版〕


労働関係法規集 2018年版


労働判例百選 第9版 (別冊ジュリスト No.230)


事例演習労働法 第3版

にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ
にほんブログ村

令和元年司法試験 労働法 第1問 再現答案

評価予想や議論のネタにしてもらうのは構いません。

一切の転載・複写をご遠慮願います。

【労働法 第1問 再現答案】

  • 設問1

1.弁護士は、本件解雇は解雇権の濫用(労働契約法16条、以下労契法)として無効であるとして従業員の地位確認請求を主位的に主張する。また、予備的請求として仮に本件解雇が適法としても、解雇予告または解雇予告手当の支払い(労働基準法20条1項、以下労基法)がないから解雇は有効とならないと主張する。

2.(1)では、本件解雇は有効か。労契法16条にてらして判断する。

まず、「客観的に合理的な理由」があるといえるか。

本件解雇はY社就業規則(以下、「規則」)32条2号、4号、7号を理由としてなされているところ、かかる規定は「合理的」であり、「周知」がなされていると考えられるから「労働契約の内容」(労契法7条本文)となっている。

(2)ア. では、規則32条各号該当性があるか、「客観的に合理的な理由」があるか問題となる。

イ.規則2号該当性

Xは勤務成績不良を理由にY社から解雇されているが、「勤務成績が不良で改善の見込みがないとき」にあたるか。

解雇は労働者に多大な影響を与えるから厳格に解し、同号に当たるかは労働契約を維持することができないほどの事由かにより決する。

本件では、XはY社入社当初、期間の定めのある契約社員であったが、契約を更新し、採用から1年過ぎたころには無期契約労働者となっており、店長や本部のマネージャーに昇進することも可能と言われていた。勤務成績が不良であれば、契約を更新したり無期契約への転換をしないことが通常であると考えられるから、これらの事情からすればXはY社の求める水準には達していたものと思われる。

また、新たな店長としてPが着任したことを境に、半期ごとの成績評価でB+からCとなっており、また、ささいなミスや客からのクレームを理由に、しばしば叱責を受けているなどの事情から、本件解雇は勤務不良ではなく個人的な嫌がらせとして行われたものと思われる。仮に、Xの勤務成績が不良だったとしても、Pは何ら改善指導をしていないから、労働契約を維持することができないほどの重大な自由とはいえない。

よって、同号該当性は認められない。

ウ.規則4号該当性

Xが「勤務改善の誓い」と題された文書を「いい加減にしてください」と大声で叫びながら、破り捨てた行為は、「従業員として不適格」として規則4号に該当するか。

Xは他の同僚と同等以上の仕事をしていると思われるところ、Pに狙い撃ちをされることによってストレスが高まっていた。同文書を破り捨てたのは、スタッフミーティングの際にPがX前日に起こした客との小さなトラブルを非難してなされたものであり、我慢の限界に達して行われたものであると思われる。このような事情からすれば、Xが同文書を破り捨てたのは仕方ないといえるし、むしろ責められるべきはPである。

よって、同号該当性は認められない。

エ.また、以上のように7号該当性も認められない。

(3)よって、本件解雇は「客観的に合理的な理由」があり、「社会通念上相当」であるとはいえないから、解雇権の濫用として無効である。

3.(1)また、仮に本件解雇が適法としても、解雇予告手当の支払いがなく、本件解雇は無効となるのではないか。規則33条但書の有効性が問題となる。

(2)この点、労基法20条1項但書は「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇」する場合は解雇予告手当の支払いを要しないとしている。しかし、同行但書に列挙されている「天災事変」等により「事業の継続が不可能となった場合」との均衡から、「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇」とは懲戒解雇に限定すべきであると解する。

すると、規則33条但書は普通解雇の場合にも解雇予告手当の支払いをしないこととしているから、「この法律で定める基準に達しない」として労基法13条により無効となる。

(3)すると、Y社はXに解雇予告手当を支払わなければならないところ、本件解雇は解雇予告手当の支払いなしに行われている。では、解雇予告手当の支払いを欠く解雇は有効か。

労基法20条1項の趣旨は、解雇が労働者の生活に多大な影響を与えることから、再就職までの時間的余裕を与えることにある。とすれば、使用者が即時解雇に固執する趣旨でない限り、解雇予告手当の支払いを欠く解雇も、解雇の意思表示後30日の経過により有効となる。

本件では、Y社が即時解雇に固執しているといった事情は認められない。

以上より、本件解雇が適法であれば本件解雇は有効である。

  • 設問2

1.Y社はXがホテル専門学校を中途退学しているのに卒業したと申告したという経歴詐称の事実を右の従業員地位確認請求訴訟において処分理由として追加することが考えられる。

2.まず、右経歴詐称によりXを懲戒解雇できるか。労契法15条にてらして判断する。

罪刑法定主義類似の要請から、「懲戒することができるとき」とは就業規則に懲戒の種別と事由が定められていることをいう。本件では、規則40条に懲戒の種別と事由が定められているからこれをみたす。

また、経歴は労働者の労働力の評価や企業秩序維持のため重要な情報であり、労働者は信義則上真実を告知すべき義務があるから規則40条の規定は、「合理的」であり「周知」されていると考えられるから「労働契約の内容」となっている(労契法7条本文)。

では、「客観的に合理的な理由」すなわち懲戒事由該当性があるか。

学歴は重要な経歴であり、労働力の評価や企業秩序維持のため重要な情報である。よって、Xが専門学校を中退しているのに卒業したと申告したことは「重要な経歴を詐称」したといえ、規則40条1号該当性がある。よって「客観的に合理的な理由」がある。

また、これを理由に懲戒解雇することも「社会通念上相当」である。

すると、経歴詐称を処分の理由として追加することも可能とも思える。

3.しかし、懲戒の刑罰類似の性格に鑑みれば、処分と処分理由は一対一対応の関係にある。とすれば、処分理由の同一性が認められない限り、処分理由の追加は認められない。

本件では、規則30条2号、4号、7号該当性と、経歴詐称の間には全く理由の同一性が認められない。

以上より、Y社は従業員の地位確認請求訴訟において処分理由として追加できない。

                                   以上

 

【雑感】

・やらかし科目第1号(労働法第2問を含めて)

・設問1で15条か16条かでめっちゃ迷う(事例演習労働法に類問あったのに)。

・あてはめスッカスカのカッスカス過ぎ。

・第1問書き終わる時点で、残り1時間20分くらいしかなかったので、最後らへん焦って設問2のところで「従業員の地位確認請求」を「本件解雇の無効確認訴訟」とか書いてた可能性もある。もう記憶にないが…

・もっと短く書きたい。内容はないのにワードで書いてるとき文字数多すぎて驚いた。

 

【使用講座・教材】

労働法は法学部と共通の授業があったため、それを受講しました。

つまり、労働法は完全独学ではありません(同じ大学、同じ授業受けてた人いらっしゃると思いますが特定、公表しないでください)。

 
フロンティア労働法〔第2版〕


労働関係法規集 2018年版


労働判例百選 第9版 (別冊ジュリスト No.230)


事例演習労働法 第3版

にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ
にほんブログ村

令和元年司法試験短答試験 自己採点結果

以下の画像のようになりました。

なんとも残念なことです。

僕は論文が弱いので(しかも今年は出来も悪いので)

短答で最低150、できれば160くらい欲しかったのですが…。

これは本当に不合格が現実味を帯びてきました。

f:id:SHIHOUnoINU:20190520200632p:plain

 

短答対策で使用した教材は以下の2点のみ(肢別本がメインで、9:1くらい)

 
肢別本 3 平成30年度版―司法試験/予備試験ロースクール既修者試験 民事系民法 1


司法試験・予備試験 逐条テキスト (2) 民法 2019年 (W(WASEDA)セミナー)
 

 

 にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ
にほんブログ村

追伸

f:id:SHIHOUnoINU:20190520201739j:plain

f:id:SHIHOUnoINU:20190520201757j:plain

 

ブログの再開&近況

お久しぶりです、司法の犬です。

ブログを再開します。ただし、更新頻度は高くありません。

 

気になる方もいらっしゃるかもしれないので、近況報告です。

●2018年からの1週間の過ごし方

日曜日から金曜日 1日6時間くらい勉強

土曜日 午前3~4時間勉強 午後公園へ

 

●2019年3月 ついに「彼女いない歴=年齢」のまま大学を卒業しました。

大学構内でカップルを横目で見て羨ましがりながら、本を読んでばかりいたら卒業しちゃいました。

25歳になっても彼女できなければ、結婚相談所に登録します( ´∀` )…あと2年数か月しかない

●同年4月28日 クレヨンしんちゃんの映画を鑑賞(今年は良作)

●同年5月15日~5月19日 司法試験委員にいじめられる。見事に爆死し合格可能性は極めて低い。

・学説問題多すぎやろ!(絶対今年の試験はベテランが有利で、若手が不利ですね)

・来年以降もこんな問題が続くなら、もう諦めて行政書士として生きていこうかと思った(中休みの17日に)。 

・コンビニ弁当ばかり食べて胃が痛い。

●同年5月19日 

名探偵コナンの映画を鑑賞(今年は酷い出来→僕の試験と一緒だね( ´∀` ))

レアルマドリードvsベティスのリーガ最終節をDAZNで観戦(酷い試合→同上( ´∀` ))

 

※コメント欄を開放しました。

ただ、チェックや返信は数日に一度程度にするつもりなので、その点ご容赦願います。

※このブログはにほんブログ村のランキングに参加しています。このブログの読者層は予備試験受験生が多いため、予備試験カテゴリに参加していましたが、9月末までは司法試験カテゴリに籍を移します。

にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ
にほんブログ村

平成31年度 TKC司法試験 全国統一模試 感想

 

サボりすぎました。

マズいですね、短答論文ともに予備組最下位レベルです。

あと70日くらい頑張ります。

 

短答

憲法35/50

民法69/75

刑法35/50

 

論文予想

憲法C

行政法A

民法F

商法A

民訴法B

刑法D

刑訴法C

労働法50点前後

 

にほんブログ村 資格ブログ 司法試験予備試験へ
にほんブログ村

平成30年度 行政書士試験 合否通知書(成績通知)

f:id:SHIHOUnoINU:20190204133734j:plain


ブログに上げるのも躊躇するくらいギリギリ合格でしたw

行政法会社法の勉強をもっと頑張ろうと思います。

 

 関連記事

shihounoinu.hatenablog.com

 

 

ブログ更新停止中も月2万PVくらいあるみたいでビックリです!

またしばらく更新停止しますが、当ブログを引き続きよろしくお願い申し上げます。

 

 にほんブログ村 資格ブログ 司法試験予備試験へ
にほんブログ村

平成30年度 行政書士試験 結果(臨時記事)&勉強法最新版&謝罪

こんにちは、司法の犬です。

 

(1)

行政書士試験に合格しました。

需要があるのかわかりませんが、後日得点開示等載せてみようと思います。

行政書士の難易度としては、予備試験の短答に通る人だったら、

よほど一般教養が弱くない限り行政書士も通ると思います。

 

(2)

最近は予備試験受験の時よりもシステマティックに勉強するようになりました。

以下の三冊は、お勧めです。(上2冊は記憶について、最後の1冊は習慣について)

今までの勉強法が誤っていることを示し、本当に正しい勉強法を教えてくれる至高の一冊。

※この本は、隅々まで注意深く読む必要があります(でないと誤解をするおそれアリ)

例えば、以下のような受験生がやりがちな勉強法は誤っています。


使える脳の鍛え方

×月曜日:行政法 火曜日:憲法 水曜日:商法…などの1日1科目

×テキストを1章から順番に読む

×テキストは読めば読むほど学力が上がる

×マーカーを引くとよい

 


受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 (新潮文庫)
  

大事なテクニックが分かりやすくまとめられていて、簡単に始められます。


男の子の学力の伸ばし方
 

(男性向け)

中学受験向けの本ですが、人間そう簡単に変わらないよね(だから今でも使えるはず)と思って読んでみました。

ちなみに女性向けの『女の子の学力の伸ばし方』という本もあります。

 

他に、習慣について扱っている本で良いのは、以前おすすめしたこの2冊です。 

shihounoinu.hatenablog.com

 

違う勉強法を知りたい方は、ページ最下部のカテゴリ「勉強法」へどうぞ。

 

(3)

話は変わりまして、

僕はtwitterを全然更新してないのですが(面倒なので)

先日は司法試験に関係ない通知をやたらと鳴らしてしまいフォロワーの方には大変ご迷惑をおかけしました。

申し訳ありませんでした。

 

P.S.

あ、司法試験の選択科目は労働法にしました。 

にほんブログ村 資格ブログ 司法試験予備試験へ
にほんブログ村

司法試験予備試験に独学・1年で合格しちゃったブログの人気記事BEST10

最近このブログを見始めたという方向け。

ブログ開設時~現在(2018年11月中旬)のページ別累計アクセス数ランキングです。

 

1位 予備試験論文試験合格発表の記事

shihounoinu.hatenablog.com

 

2位 独学の僕が採った勉強法(基本スタイル編)

shihounoinu.hatenablog.com

司法の犬は速読ができるということを前提にお読みください。 

 

3位 予備試験論文試験 成績通知書

shihounoinu.hatenablog.com

 何度見ても無対策とはいえ実務基礎科目がヒドい・・・

今は、多分A~Cは取れる実力ありますからね汗(言い訳)

 

4位 独学でやろうとしている人を頑張って止めようとする経験者の記事 

shihounoinu.hatenablog.com

今でも、予備校を使ったほうが絶対に良いと思っています。

独学で司法試験・予備試験の勉強をするのは本当に苦労しますよ。

 

5位 独学の僕が採った勉強法(直前期編)

shihounoinu.hatenablog.com

司法の犬は速読ができるということを前提にお読みください。

 

6位 口述試験合格発表

shihounoinu.hatenablog.com

 

7位 予備試験短答試験の成績通知書

shihounoinu.hatenablog.com

 

8位 司法の犬の詳細プロフィール

shihounoinu.hatenablog.com

見なくていいです、ホントに。

 

9位 効果の出る努力の仕方~練習で大事なのは目的意識/頑張りすぎてもダメ

shihounoinu.hatenablog.com

記事では本について、映画の予告編程度の紹介しかしていません。ですので、詳しくは本屋や図書館で見て、気に入ったら購入してみてください。

 

10位 2週間でやった口述対策、実務基礎科目対策 

shihounoinu.hatenablog.com

司法試験の過去問見ると、民法で要件事実の問題(即時取得、代理など)訊かれてたり、刑法で犯罪事実認定を訊かれてたり(殺意の認定…自動車からの振り落としや相手をよく見ないでカッターナイフで刺したなど)するんですよね。そういう本試験に活きるという意味でも実務基礎科目は絶対にやってください(論文前にやらない人なんて僕くらいか)。

 

 以上、お読みいただきありがとうございます!

にほんブログ村 資格ブログ 司法試験予備試験へ
にほんブログ村

更新停止のお知らせ

 

司法の犬です。

 

予備試験を受験して思ったのは、やはり自分は努力が足りずダメだ、ということです。

予備試験を通過した強者たちと、予備試験よりも難しい司法試験で戦うために本気で努力します。

第一歩として、ネットを断ちます。

来年度の司法試験受験終了後までは、更新致しません

 

ただ、自賛になってしまいますが、

このブログは他の受験者ブログとは大分内容が違うはずです。

その点で何かヒントになることがあるかもしれませんので、このブログを今まで読み続けてくれた方は、過去の記事をたまに見返してみて下さい。

 

以下、補足です。

・2018年12月1日22時まで質問等はコメント欄でしていただいて構いません。

(ただし返信が遅くなり、簡潔になると思われます。ex要約すると〜です。『〇〇』という本に書いてあるので読んでください)

それ以降はコメント欄をブログ再開まで閉鎖します。

・司法試験の再現答案をアップします。

  

 

以上です、来年の5月下旬にまたお会いしましょう!

にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ
にほんブログ村