予備試験を独学・1年で受験してみた

他のブログと違う視点で「合格まで」を考える/73期弁護士

予備試験 論文問題集のおすすめ?/スタンダード100以外でも良い?

話題 「予備試験問題集は何を使えばいいか」「スタンダード100以外でも良いか」

当ブログではこれまで僕が『論文の森』と『スタンダード100』を論文のメイン教材として使ったことを公言してきました(特に推薦しているつもりはありません)。

これを受けて、読者の方より「『論文の森』と『スタンダード100』はもう古いのでは?」「伊藤塾の赤本でもよいか?」という質問を受けてきました。

これに回答しますが、僕だったらこうするという私的見解にすぎません。ご自身の特性、置かれている状況、及び教材の特徴等踏まえた上で自己判断をしてください。

 

予備試験や司法試験に合格するために必要なのは、

・どの論点の問題が出ても

・正しいとされている答案の形式(ナンバリング、問題提起論証当てはめ)で

・一定の内容を伴った論述をする

ことですので、①論点網羅性と②参考答案があり③一定の信頼を受けている母体が発行するものであることが必要条件です。

 

第1 予備校で論文演習講座を受講している場合

僕だったら、その論文演習講座のテキストを周回し、市販テキストは別途買いません。

「予備試験予備校 おすすめ」などと検索すると、「あの予備校は網羅生が高くて良い」「あの講師は分かりにくい」「あの予備校はやめとけ」などということが書いてある場合がありますが、ハッキリ言ってどこの予備校もそれなりの質があります。

僕も司法修習終了までに、伊藤塾、辰巳、LEC、アガルート、資格スクエア等主要予備校の出身者全てに会いました(僕の友人は年齢が近い人が多く、修習生の中では若い方なので、若干アガルート多めでしたが)。

上記の予備校で講座を受講している場合、その講座及びテキストには①論点網羅性も②参考答案もあるものと思います。また、どの予備校からも一定数の合格者が出ており、各予備校には③一定の信頼があるものと思います。

ネットでネガティブな書き込みがあっても、その講義を理解し、何度も解いて、全ての問題の解説答案をそのまま書ける水準までやりこめば、合格レベルに達するはずです。

市販教材に取り組む前に、その論文講義を99%以上消化しているか?現時点で既に99%以上消化していても市販の教材は必要なのか?をもう一度検討してください。

不要との結論に落ち着くはずです。

 

第2 予備校で論文講座を受講していない場合

1 まず予備校の論文講義を受講することを検討しよう

やっぱり予備校の論文講義に乗っかる方がいいです。

当ブログでは何度も述べていますが、自己流だとそもそもの勉強の方向性を誤ることが往々にしてあります。

僕と同じように勉強して合格できるかについて、正直再現性は極めて低いと思います。

これは実際体験した僕が一番そう思います。

僕ですらもう一度ゼロから同じように勉強して合格できるかは自信がありません。

 

(周囲に予備試験・司法試験に落ちた人がいないので大学受験を念頭に話しますが)

成績の悪い人は、

・高校3年春時点で偏差値40未満の早稲田法学部志望。

本来であれば、1年後までに早稲田の過去問を解けるように、問題集を解くことを中心に、英語・社会・国語に絞って勉強すべきなのに、学校の定期テストでも満遍なく好成績を取るために家庭科や情報、数学の勉強もしっかりする。ついでに部活も文化祭も体育祭も全力投球(方向性の誤り)。

・毎日1時間だけ(勉強時間短すぎ)、机の上にスマホを置いてLINEをしながら(集中が途切れる)、ひたすら教科書を読むだけで問題集を解かない(勉強法の誤り)。

といったことをしています。

方向性の誤りを避ける必要性については下記2つの記事をご覧ください。

「予備校は、金で時間と合格可能性を買うところ」と書いているのは、上記の方向性の誤りを避けることを指しています。予備校であれば、カリキュラムや講師が授業中に話す自習計画等に従えば、方向性の誤りは避けやすいと思います*1。 

shihounoinu.hatenablog.comshihounoinu.hatenablog.com

 

 

2 僕と同じ茨の道へようこそ、予備校の論文講義を受講せず予備試験に挑戦する方 

①論点網羅性と②参考答案があり③一定の信頼を受けている母体が発行している問題集であればどれでも構いません。

ですので、例えば伊藤塾の赤本は(最低でも頻出分野の)問題が一通り載っており、参考答案がついていて、また、受験生の信用を集める伊藤塾が発行しているので基準を満たします。

 
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実際、僕は予備試験受験当時にたまたま論文の森を選びましたが、伊藤塾の問題集も候補にありました。

逆に、ロースクール生がよく使うような参考答案のついていない問題集は、上記のような理由から僕だったら使いません(②について満たさない)。解説が詳しくても、解答の形に落とし込めないと受験では意味がないので。 

例えば、『事例演習刑事訴訟法』は評判が良かったので、スタンダードを買う前に立ち読みしましたが、参考答案がないので採用しませんでした。

ただし、下記のような解答付き講座等信頼できる参考答案にアクセスできるなら上記①〜③全てを満たすので、検討したと思います(予備校を使うことになりますけど)。

司法試験|古江頼隆「事例演習刑事訴訟法」解析講座 【PR】

 

ただ、同書を使用して合格している受験生も多数いること(だからこそ好評なのだと推測します)から、やはり個々人のスタイルに合わせて採否を決するべきと思います。

繰り返しですが、本記事は「僕だったらどうするか」を書いただけで、あなたが良いと思えばそれは良い教材です。

 

また、③の関係でメルカリ等で売っている「合格者が作った教材」なるものも僕は買いません。

 

第3 最後に

個人的感想ですが、

①論点網羅性と②参考答案があり③一定の信頼を受けている母体が発行している問題集なら本当になんでもいいと思います。

上記を満たす教材は多数あります。一定の評判を得ているものならなんでもいいです。

実際、合格者が使っていた教材は多種多様です。

 

成績は教材の良し悪しではなく、それを使う人の良し悪しによって決まると思ってます。

合格水準に達するかどうかは、自分が問題集等の教材をどれだけ吸収できたか次第です。

 

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*1:これも大学受験時の経験からの推測ですが