【結論】今のところ非常に満足しています。
お久しぶりです。ブログしかやっていないくせに更新を止めてました。
インハウスへ転職して早くも半年。その感想を書いていきます。
※本記事では、企業法務系の法律事務所に2年間、その後企業にインハウスとして半年間在籍中の実体験を書いていますが、私は事務所・企業を一つずつしか経験していません。そのため本記事は、個人的な体験を記載するものであり、客観性に欠けることはご留意ください。
職務内容は、どちらも契約書審査や法律相談が主であり、その意味であまり差異はないものの、訴訟代理人になる・ならないなど、下記で詳述するような差異はあります。
ちなみに、私は転職前と転職後で給与にほぼ差はありません。もっとも大手事務所や給与の高い名門事務所とインハウスの給与とでは大きな差があります。
良かった点
1 ワークライフバランス
まず、労働時間規制があることですね。
法律事務所のアソシエイトに比べ、労働基準法、36協定、就業規則等により、長時間労働や休日出勤について規制があり、ワークライフバランスが取りやすいです。
残業時間に上限がある、土日出勤は原則不可、勤務終了と次の勤務開始までにインターバルがあり休息を強制的に確保、などのルールで保護されています。
私は、法曹としての仕事が好きで好きで…というタイプではなく、どちらかというと生活のための仕事としてやっている感じです。
ですので、法律事務所時代に一時期なっていた(やらされた)仕事漬けは、全く嬉しくありませんでした。個人事業主なので上記のような保護ルールもなく。。。
ワークライフバランスは、インハウスの良い点の筆頭です。
2 懇切丁寧に面倒を見てもらえる
会社によると思いますが、私が入社した会社では、案件処理の方法や会社での立ち居振る舞いなどについて丁寧に先輩方(弁護士資格持っている方も持っていない方もいます。)にご指導いただくことができました。自分としても非常に勉強になっています。
こちらも事務所によるとは思うものの、以前に入った事務所では「アソシエイトに懇切丁寧に教えてもどうせ独立して競合相手になる」という考えのパートナーでしたので、基本的に放置されていました(その考えは間違っているとは思いませんが、そう考えるのであれば雇わなければいいのに…)。
会社はその点、仕事をまともに教えない若しくは振らない、又は必要以上に厳しく接する、といったことをすると、その上位者がパワハラ認定されたり、人事評価で減点を食らうので、丁寧になる傾向が高いような気がしています。
3 難しい問題は、外部弁護士に投げる
難しい法律問題は、会社としてもリスクヘッジのため、外部弁護士のご見解を徴します。法律事務所はこれに回答する側であり、書籍を漁ったり、官公庁に電話したりと難しい問題に頭を悩ませており、気苦労も多かったように思います。
しかし、インハウスはこれをお願いする側であり、自分で最終結論を出さないので、責任の所在の観点で、労力的にも心理的にも非常に楽です。
もっとも、「そういった複雑な問題を考え、答えを出すことが法律職の醍醐味だ」と考える方であれば、法律事務所の方が良いかもしれません。
デメリットとも思われる点
1 訴訟代理人になることがない
これは本当に会社によります(※ひまわり求人で訴訟代理人になることがある旨記載されているインハウス求人を見たことがあります。)。
私は、訴訟を面白いと思っていたタイプなので、訴訟代理人になる機会がないのは寂しく思うこともあります。もっとも、代理人の先生が起案した書面を、裁判所に提出する前に、依頼者企業の法務部(我々インハウス)でも確認するので、一応関わってはいますが、一次的な起案をしたり、期日に出席したりということはないです。
2 弁護士資格があってもなくても同じ/インハウスだと関われない分野もある
インハウスは、ただの会社員です。弁護士資格があるからといって優遇されません。弁護士資格があろうがなかろうが、法務部であろうがなかろうが、皆同列の会社員です。
ちなみに私の所属する会社は、弁護士資格に対する資格手当もありません(弁護士会費は会社負担ですが。)。
また、職務内容は、弁護士資格がなくてもできるものになります(訴訟代理人等資格が必要な行為は代理人弁護士に依頼するので。)。
上記インハウスで関われない業務の最たる例は、破産関係だと思います。
破産手続代理人、破産管財人といった業務は行うことができませんので、こういった分野にご関心のある方は、法律事務所一択です(もっとも金融系の会社などで破産法を扱うことはあるとは思いますが、手続代理人や破産管財人は難しいでしょう。)。
3 敵は社内にあり
インハウスの仕事の流れとしては、
a. 事業部からの質問
b. 必要に応じ事実関係をヒアリング
c. 法的問題を検討し、回答
ですが、法律の素人からの質問なので、色々問題が生じることもあります。
a.に関しては、そもそも法的な問題じゃないとか、b.については法務部からの質問を理解できないとか、途中で音信不通になるとか(そんな残念な人もいます。)、c.回答しても一回で理解できず何度も追加で質問をしてくるとか。。。
要するに、面倒くさいと思う場面が多々あります。
この点、企業法務の法律事務所に相談をしてきていたのは、大抵企業法務部の職員で、マナーもリテラシーもあったので、上記のような問題は起こらなかったです。
4 法律問題を考える、以外の事務作業も多い
法律事務所時代、事務作業は秘書の方が全てやってくださり、自分は弁護士としてやるべき法律的な問題の処理に集中できる環境がありました。
インハウスは違います。部内のスケジュール調整、コピー取り、郵便物の管理、飲み会の企画運営等、事務作業は基本的に全て自分でやる必要があります。
私はこれらが全く苦ではなかったので問題なかったのですが、法律家として法律問題に集中し自分を高めていきたいという方にとっては、考えるべきポイントかもしれません。
お役立ちリンク
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下記は昨年の記事ですが、私の言いたい内容は同じですので引用します。「2025年合格を目標」など、年を1年後ろ倒しにして読んでいただければ。
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