タイトルは完全に個人的な感想です。
さて、司法試験も終わり、法律事務所等への就職活動中の受験(終了)生も多いことだと思います。
ところで、就職活動中の皆さんは、法律事務所を「一般民事」と「企業法務」に大別しているのではないでしょうか?
この記事では、僕個人がイメージするそれぞれの定義と業務内容をお伝えします。
「企業法務」とは
「企業法務」とは企業の法律問題を扱う仕事です。
そして、企業法務事務所とは、ほとんど企業のみを顧客とし、企業の法的問題を予防・解決する業務を行う法律事務所をいうものだと思っています。
一般民事事務所になく企業法務事務所にある取扱分野としては、知財、独禁法、税法、金商法、大規模又は渉外のM&Aなど専門性が高い分野だと思います(もちろん事務所による)。
もっとも、これらの分野に限られるものではなく、労働事件の使用者側(主に企業)専門の事務所や、普通の民事訴訟や契約書チェック等をやっているけど企業のみを顧客とする事務所も企業法務事務所だと思います。
企業法務事務所の良いところは、
・給与水準が高い傾向にあると思う
・何か専門としてやりたいことが決まっている分野がある場合は、最初からその分野に集中できる場合がある
・上記のような知財、独禁、税法、金商法など専門性の高い分野を扱える場合がある
・立地が良い場合が多い
くらいでしょうか。
個人的な話(企業法務つまらない)
僕も現在、企業のみを顧客とする企業法務事務所に所属しています。
企業法務事務所の方がなんか色々良さそう!程度にしか考えずに就職活動をしていたのですが、業務内容は修習生の時に主に扱っていた民事訴訟や刑事弁護の方がはるかに面白かったなあ・・・と思います。
来る日も来る日も、契約書チェック、法的意見書の作成、M&Aに関係する法令や財産の調査・・・など紙に対して一方通行で向き合っているだけで、何かの修行のようです。
無味乾燥な毎日を過ごしています。
民事訴訟や刑事弁護であれば、相手方当事者又は警察若しくは検察官及び裁判所との「対話(コミュニケーション)」がありますし、各事件にストーリーがありますので、それなりに面白いと思っています。
僕の所属事務所のようなタイプの企業法務事務所は、無味乾燥な作業に耐えられる人又はお金稼ぎができればあとはなんでもよいという人以外は向いていないんじゃないかな〜と思います。
また、企業法務事務所は顧客と継続的に付き合いがある(アソシエイトが1回ヘマしたら切られる可能性がある?)からか分かりませんが、若手があまり法律相談を始めとする顧客対応をしない傾向にあるんじゃないかな〜と思います(もちろん事務所により例外もあり)。
アソシエイト弁護士は、パートナー弁護士と顧客が話し合って決まった事項を淡々と処理する感じで、まさに機械のようになっております。
そこもつまらないポイントです。
一般民事とは
「一般民事」事務所は、「企業法務」事務所以外の事務所だと思っています。
離婚、相続、交通事故の被害者側を主とする「一般個人を相手」とする事件も扱う一方、大半の事務所は中小企業の「企業法務」的な業務(例:債権回収訴訟や労働事件、契約書チェックなど)も行うことが多いです。
一般民事事務所でも、契約書チェックなどひとりで書面と睨めっこという業務も一部あると思いますが、訴訟があったり刑事事件もあったり破産関係があったり…と、割と広い分野を扱うことができ、業務のバリエーションがあるのが良いところだと思います(実体験から言いますが、同じことばかりやっていると飽きます)。
また、一般民事事務所の場合は、アソシエイトが法律相談に出て方針の決定を主導したり又は決定に参加したりする傾向が(少なくとも企業法務事務所よりは)あるので、「自分で事件をコントロールしている」感が得られて良いのではないかなと思います*1。
デメリットとしては、
・一般個人の顧客(相談段階を含む)に、弁護士の円滑な業務遂行を妨げる者(例:感情的になって話が進まない)がいる割合が企業法務よりは高いと思われる
・高い専門性のある分野を扱いたいと思った場合に、その事務所では仕事が来ない/知識がなく扱えないことがある
などがあります。
僕はもう一回就職するとしたら、民事訴訟と刑事弁護を中心的な業務とする一般民事事務所に就職したいなと思いますね(笑)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
当ブログでは、
⑴ネット予備校の利用
⑵正しい勉強法で勉強すること
⑶精神的に頑張りすぎないこと
をお勧めしています。
⑴についての記事
⑵についての記事
*1:僕は一年目ながら、一回だけほぼ一人で労働事件をやったことがあります。相談に始まり、主張書面の骨子〜細部まで決めることができて、その事件はとても面白かった記憶があります