私は、現在司法試験に合格した司法修習生ですが、今までに少なくとも50人以上の社会人経由の合格者に会ってきました。
社会人から司法試験を目指すには、何かしらの困難が待っていますが、今回は私が見てきた社会人経由合格者を分類・特徴解説していきます。
なお、主観は入っておりますので、その点にはご注意を。
タイプ1
勤めていた組織を辞めて、ロースクール未修に入学する(専業受験生になる)
司法修習生では、これが最多という感覚。
法律の学習経験が浅く、合格可能性が全く見えないにもかかわらず、今の生活を捨てて司法試験に専念するという意味で、本気度が最も高いイメージがある。法曹になることに対してのモチベーションも最も高い。
少なくともロースクール在学期間の3年分の貯蓄と、未修者ならではの集中学習が要求される。
財力のある人が多く、少しでも「良い」という評価のある教材は惜しみなく買っている印象がある。
タイプ2
勤めていた組織を辞めて、ロースクール既習に入学する(専業受験生になる)
そんなに多くない印象。
収入源を断って、受験に専念する点で、本気度が高い印象。
以前法学部等法律関係を学んでおり、一度は司法試験を断念したが、夢を諦め切れずにというタイプが多い。
タイプ3
勤めている組織は辞めないで、夜間のロースクールに通う(社会人兼受験生)
見た中では、わずか3人がこの部類。
仕事、ロースクールの授業と課題等やることが山積みで、時間的には最もタイトなグループだと思う。
リスクヘッジをしながら、ロースクールに通っており、「背水の陣」ではないので合格率は低めの印象(筑波夜間、日大夜間の合格率参照)。
私が見た人は、地頭も学歴もとてもいい人(一発合格)が2人、以前ローで三振したがもう一度チャレンジという知識の蓄えのある人が1人。
タイプ4
勤めている組織は辞めないで、予備試験に挑戦する(社会人兼受験生)
タイプ2と同程度の割合という印象。「時間を金で買う」など、時間効率の意識が高い人が多い印象。
隙間時間に予備校教材を使いながら、コツコツ勉強していたという感じ。
割と一発合格も多く、費用対効果は最高だと思う。
※費用対効果が良いと思う理由
タイプ1〜3は、司法試験の資格取得までに、2年間ないし3年間は少なくともロースクールに通わなければいけないところ、仮にタイプ4で1年間で予備試験に合格すれば、他のタイプと比較して1年以上の時間的アドバンテージがあります。
73期同期の話によればロースクールは1年あたり100~150万円するそうですが、予備校の入門講座は現在12~50万程度で受講が可能(金銭)。
仮に1年早く弁護士になれれば、初任給分すなわち600万円程度他のタイプよりも金銭的に得します。
※600万円という数字は、弁護士の求人サイト「ひまわり求人」の、新人弁護士の初年度給与欄をみると、多くの事務所が「600万円」を条件にしていることが根拠です(2020年時点)。
ただ、勿論デメリットもあって、それは、予備試験に一発で合格できるとは限らないこと。
まとめ
私の肌感覚ですが、大体当たっていると思いますので、
社会人受験を目指している場合は、ご自分の特性を考えてどのルートを取るのが良いか検討してみてください。
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