司法試験終了後、読んだ勉強本の中で最も良いと思った本のうち、
これまで当ブログで紹介していなかった内容を含む本を紹介します。
スコット・ヤング著•小林啓倫訳
『ULTRA LEARNING 超・自習法 どんなスキルでも最速で習得できる9つのメソッド』
です。
この本の何が良いか、というと、
「直接性」、すなわち、ある最終目標がある場合に、遠まわりして勉強してから最終目標にやっとありつくのではなく、いきなりその最終目標についての勉強をしよう、と説いていることです。
他の章に書いてある、「学んだ事項はテストで定着させよう」とか「フィードバックが大切だ」などの事項は、今まで当ブログで紹介してきた本でも言われてきましたが、「直接性」について触れた本はありませんでした。
「直接性」とは何か、もう少し具体的に解説します。
例えば、皆さんは、中高6年間で英語を勉強してきました。
Q1あなたは英語を話せるでしょうか。
おそらく80%以上の方がNoと言うのではないでしょうか。
では、質問を変えて、
Q2あなたはセンター試験の英語の文法問題の大半を正解できますか。
おそらく当ブログ読者の大半の方がYESと答えるでしょう。
両者の違いは何か、というと、皆さんは英語を話すという訓練はほとんどしたことがないのに対し、センター試験の文法問題を解く訓練は十分な量を積んでいることです。
つまり、英語を話したければ、英語を話す練習をしろ、センター試験の文法問題で正解したければ、センター試験の過去問を解け、ということになります。
この本を読んで、僕が予備試験や司法試験に独学かつ短時間で合格できた理由が分かりました。
司法試験等に合格するためには、司法試験等で一定以上の点数を取らなければなりません。これが最終目標です。
では、僕がその最終目標達成のために何をしていたかというと、皆さんご承知のとおり、最初から、過去問を解きまくっていました。本書の「直接性」のルールを最大限に活かしていたのです。
PS
ところで、法曹になるために法律を勉強している皆さんは、紙の上での法律については詳しいと思いますが、その知識は、イメージの湧くような知識になっているでしょうか。
冒頭手続では何をするか。
と訊かれれば、人定質問→起訴状朗読→黙秘権告知→罪状認否と答えられると思いますが、実際に何をやっているかまでイメージできますか?
証人尋問で、証人が証言を始めるまでに、どのような手続きが行われているか。審理を分離する基準は何か。
これらに関しては、答えられない方も多いのではないでしょうか。
僕は、知識としては持っていたけれど、修習に来て初めて「使える知識」になったものがたくさんあります。
修習とは、司法試験で学んだ「紙上での知識」を、実務に対する直接性を持った「実務で使える知識」に変換する場だと思っています。
ですので、予備試験で法律実務を学ぶ方は特に、暇な時に法廷傍聴(刑事がおすすめ。一方、民事は記録読んでからでないと意味不明です。なお、記録は誰でも閲覧できます←民訴法91条。)や警察署見学、繁華街での職質現場を側から見る(普通に大人数で取り囲んでます)等、実際の現場を見てみてイメージを膨らませてみるのもおすすめです。
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