予備試験を独学・1年で受験してみた

非法学部生が独学・1年未満で予備試験に合格した記録(問題集絶対主義)/73期弁護士

『司法試験・予備試験 この勉強法がすごい!』(jiji=平木太生著)書評

根強い支持者を有するjijiさんの勉強法を書いた本を書評します。

具体的には、File1~File41までに紹介されているテクニックのうち、効果がある勉強法と効果がない方法に分類するということをやってみようと思います。

各所からクレームが来そうな記事で怖いです。

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この記事のテーマ

今回は、ブログに匿名希望で来た質問にお答えします。

匿名さん(仮)からのご質問

「有名な司法試験ブロガーであるjijiさんの勉強法の本について、脳科学の知識がある司法の犬さんはどう思われますか?感想をお聞かせいただければ幸いです。」

 

書評の仕方

実はまだ読んだことがなかったので、この質問を受けてから読みました。

 

それでは、以下に「jijiさんの勉強法」と「それに対する司法の犬の評価」を書いていきます。なお、評価は次のような5段階で致します。

1.非常に悪い勉強法

2.悪い勉強法

3.無益的(無害な)勉強法

4.良い勉強法

5.非常に良い勉強法

 

また、各勉強方法のやり方については、(著作権の関係上)本書をお読みになるかjijiさんのブログをご覧になってください。

書評

第1章 私を変えた5大勉強法

File⒈スイッチバック勉強法 初期中の初期:4(良い) それ以降:2(悪い)

スイッチバック勉強法は、1度勉強したことをあまり間を空けずに復習する方法です。この方法は、初期段階では一定の効果がありますが、それ以降は悪い方法として科学的に意見の一致が見られています。

初期中の初期に良い理由:『進化する勉強法』(竹内龍人日本女子大学教授)p.104

それ以降に悪い理由:『使える脳の鍛え方』』p.34、『進化する勉強法』p.94

 

File⒉メモリーツリー法:4(良い) 但し、使い方を変えれば5(非常に良い)

細々とした知識を体系化できるため、「統合」「精緻化」といった効果があり、頭の中で知識を体系化できスッキリ脳内を整理できるでしょう。

注意点としては、テキストを見ながら図を作成するのではなく、テキストを見た後、何も見ずに自分で思い出しながら図を作成するべきでしょう。

また、使い方を変えるべきなのは復習方法についてです。司法の犬ブログをお読みの方ならご存知かと思いますが、「歯磨きをしながら眺めるだけ」では勿体ないですね。なぜなら、記憶が最も定着するのは、「思い出す」ことだから。ご自分で書いた図を思い出してみる、または、今度は書く前に何も見ずに図を再度書いてみる、といった方法が良いでしょう。

理由…『使える脳の鍛え方』p.79

使い方を変える理由:同p.34~、p.81~

File⒊短答オレンジペン加工法:2(悪い)〜3(無益、無害)

欠点:時間がかかる、効果が薄い

僕が思うに「思い出す機会」を得るという点では、問題文に加工をしてしまうより、解答(肢別なら⚪︎×、多肢選択式なら数字)を見て答え合わせをした後、解説文を思い出すほうがよいのではないかと思います。

なお、本項p.16のstep3第一段落に記載の答え合わせの方法は、司法の犬自身もやっている方法です(『進化する勉強法』p.114)。

一方、step5の復習方法はあまりおすすめしません(『進化する勉強法』p.125)。

File⒋完璧答案構成法:4.5〜5

なぜこの問題ではこの論点が問題になるのか、論証の規範、当てはめの方法などを思い出す機会が得られるため良いでしょう。

File⒌暗記カード法:?    但し、改変で5

jijiさんは眺めるという方法で暗記カードを復習したようですが(p.32)、やはり思い出して復習する方が良いでしょう。また、作成に時間がかかるので、これについては考えものです。

 

僕がお薦めする「jiji流勉強法」はこれ

File 36.ディズ勉:5

理由:『最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法』p.98~

簡単に言うと、法律知識のない人に法律の解説をするというテクニックです。

この方法は、①思い出す②知識のない人に分かりやすく説明する、という方法が組み合わさったとても良い方法です。①については述べたので、②について説明しますと、知識のない人に分かりやすく説明することで、記憶に残るのだそうです(YouTubeでメンタリストDaiGo氏が言ってました)。分かり易いことこそが、説明している人自身の記憶定着にも繋がるなんて意外ですよね。

皆さんも、ラーニング・ピラミッドって見たことありませんか?それによると、人に教える、というのが最も良いとされていますが、特に受験生同士で教え合うよりも知識のない人に教える方が効果的だということです。

参考https://twitter.com/toeiceng/status/1163311351944511488

僕も当時高校生の妹に対して、刑法犯罪のニュースが出るたびに「心身耗弱とは」「横領とは」などの講義を勝手にしていました(その結果か、妹は法学部に入ったので結構嬉しい)。

この方法のポイントは、①興味を持って法律の話を聞いてくれる②法律についての知識がない人が身近に必要だということですね。①か②のどっちかは満たさない人が大多数ですから、jijiさんも司法の犬も非常に恵まれていましたね。

だって、ディズニーの待ち時間で計何時間も、知識のない法律の話を聞こうとしてくれる人なんて普通いませんよね?皆さんだったら、天文学の話を1日5時間も聞きたいと思います?jijiさんの彼女様(現奥様)、とても献身的な良い人ですね。

 

他にも、

File15

File22

File25

File30

File33

File42は4(良い)以上の評価です。

 

残りの勉強法は?

上記で触れられていない方法につきましては、1〜3の評価です。

 

以上、『司法試験・予備試験 この勉強法がすごい!』について書評しました。

jijiさんは、司法試験界隈ではとても有名なブロガーで、新司法試験始まってから受験生に最も知名度・人気のあったブロガーと言っても過言ではありません。ご興味を持たれた方は本書をどうぞ。

追伸 

また、この他に

このような体験談型の勉強本では得られない知識(複数の科目がある場合の取り扱い方、勉強後にすべき/すべきでないこと)やあなたが普段やっている勉強法の効果いかんを知りたい方は、科学者の書いた信頼性の高い勉強法の本をお薦めします。

心理学者の書いた本

『使える脳の鍛え方』P.ブラウン(作家)、H.ローディガー(ワシントン大学教授)、M.マクダニエル(ワシントン大学教授)

『進化する勉強法』竹内龍人(日本女子大学教授)

 

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