今日の記事は長いので久々に目次を付けます。
兼業主婦さんからのご質問
30代後半子持ち主婦です。
昔から弁護士に憧れているのですが
・子供が小さく、手がかかる ・仕事をしている
・経済学部出なので法の知識が全くない ・勉強時間の確保は現状では週30時間くらい という状況です。
・まずは適正を見るため行政書士を目指す
・一気に予備試験を目指す
・どれも諦める
司法の犬さんでしたら、どの道を選ばれますか?
行政書士の勉強をするなら、テキスト代も別になるし最初から予備試験…とも思ったり、子供が小さいのだから、勉強よりもっと子供を見てあげないといけないのではないか、など色々考えてしまっています。
おお…当ブログで人生相談を受けたのは初めてです。
ブログの新たな可能性が見えた気がしました、ありがとうございます。
結論
僕が同じ状況に置かれたと仮定しても、予備試験を目指します。
理由①複数の強力な武器を習得済み
・効果が高く、かつ、再現性の高い勉強法
→2019-1-30記事*1参照
この方法を使って週30時間勉強できれば、(しかも予備校も使えれば)1年で確実に合格できる自信があります。
多分、週20時間勉強できれば1年合格に挑戦すると思います。
・心理学や生物学の知識
→「試験本番の持ち物」記事などに表れている
元々この方面の学問に興味があり、大学入学当時から本を読んでいました。
これらの知識が、たまたま試験勉強に役立ったという結果になっています。
司法の犬を模倣したいという稀有な方は、この方面の知識もさらってみてください。一通りの知識を得られるコンテンツを下の方に列挙しておきます。
・社会不適合者ならではの発想
→社会不適合者、というとマイナスのイメージがあるように思います。
しかし、僕は社会不適合者でよかった*2と思いますし、これが自分の強みだとも考えています。
どういうことか。
社会不適合者は、皆と違う考え方/行動をためらいなくできるという特徴があります。
例えばですが、『スタンダード100』『論文の森』『肢別本』のみを使用して、完全なる独学で、1年未満の勉強期間で、予備試験に合格しようなんて普通考えませんよね?
自分で言うのもなんですが、
H23~H30までの予備試験受験者総数75886人のうち、こんなやり方で合格したのは僕と他に1人いるかどうか、
というところではないでしょうか。
前にも申し上げましたが、予備試験はレベルの高い受験者の中の4%しか合格できない試験です。裏を返せば、「みんなと一緒」だと96%の確率で落ちます。
そこへ行くと、人と違う思考ができる僕は、「どうやれば、他人よりうまくできるか」を結構簡単に思い付けるのです。
これは別に社会不適合者でないとできないわけではありませんので、皆さんもこのような意識を持っておくとよいのではないでしょうか。
理由②自分の死(=人生の残り時間)を意識して
・僕が1日6時間しか勉強せず、短期合格しか狙わない最大の理由
僕が今までで一番衝撃を受けたのは、大学2年のとき祖父が亡くなったことです。
初めて身近な人の死を経験しました。
それより僕は、自分にもいつか終わりが来ることを意識して生活しています。
つまり、生きられる残り時間というのは無限ではありません。
ですから貴重な人生の残り時間を、試験勉強という無機質なものに捧げることに消極的です。また、同じ「試験合格」という結果を得るのに何年もかけたくありません。
もちろん、もっと勉強した方が合格可能性は高くなり、順位も上がるでしょう。
それでも、1日をすべて受験勉強に費やそうという考えはありません。また、何位だろうと合格は合格*3なので、僕は本気で最下位合格でいいから今年合格していてほしいと思っています。
・行政書士資格の使い道とは
行政書士試験に合格した後、行政書士として働くおつもりがあれば、行政書士試験を受験するのもよいでしょう。
しかし、そうでないのに試験を受けて、資格だけ保有しているというのは、時間の無駄としか思えないです。
・小結論
弁護士になりたいなら、真っ先に(なるべく短期で)予備試験を目指すべきだと考えます。
寄り道をしていたら人生はすぐに終わります。
理由③死ぬ間際の後悔
人が死ぬ間際に後悔することは、「理想を追い求めなかったこと」だそうです。
*4
弁護士になることが理想ならば、予備試験を目指した方がよいのではないでしょうか。
勉強や試験に役立つ心理学・生物学的知識を効率よく得られるコンテンツ一覧
●外観図はこちらの通り
①【脳科学・生物学入門―総論】-最低限の1冊、まずこれだけでも
『GO WILD 野生の体を取り戻せ!』
ジョン・J・レイティ(ハーバード大学)ほか著
→これさえ読めば、運動・瞑想・食事・自然の効用など各分野の最低限の知見を得られる。
現代人は自然界における生き方とかけ離れた生活をしている。現代人は生活様式は原始人と大きく異なるものの、その遺伝子情報はさほど変わらない。原始人と同様の体をしている我々は、実は今日の生活リズムにまだ体が追いついておらず、体に大きな負担がかかっているのである。
本書はこのような前提をもとに、脳や体によい過ごし方を解説する。
なお、欠点としては翻訳書にありがちだが、具体例がくどいほど長いことである。それでも丁寧で分かり易く説明されているためさほど問題にはならないが。
まず一冊、どれから始めようかと悩んだらコレ。
ちなみに僕は定価の2,376円で購入したが、現在kindleでは紙の本よりずっと安く手に入るようだ。
②【脳科学・生物学各論】-①の後で。続・「勉強する」以外の方法で成績を伸ばす
●運動
『脳を鍛えるには運動しかない』
ジョン・J・レイティ(ハーバード大学)ほか著
→運動が脳に良いことを説明する本。この本を読んでも運動したい気持ちが湧いてこないなら、おそらく一生運動しないだろう。
例えば、アメリカの高校で行われた実験において、始業前に有酸素運動を行った高校生は学業成績が17%もアップした。17%も成績を上げることは大変な努力を要するのが通常であるが、これが運動によって達成されるとは!
運動が脳にどれだけ好影響をもたらすか、を類書と比較しても断トツで丁寧に解説する。
●食事
『医師が教える食事術 最強の教科書』
牧田善二(糖尿病専門医・医学博士)著
→現代人は一日スプーン40杯分の砂糖を食べている?
本書のキーワードは、「太る→老ける→病む」
要約すると、自然の状態から離れた食べ物ほど体に悪い。このような食べ物が血糖値の上昇を引き起こし、糖尿病の原因となる。なお、僕が昼食をナッツとカカオ72%チョコレートにしたのは、この本を読んで眠気を起こす原因にもなる血糖値の変動につき詳しく知ったのが理由である。
社会人受験生など健康が気になる方は読んでおいたほうが良いかも。体のためにも、脳のためにも。
●睡眠
『睡眠こそ最強の解決策である』
マシュー・ウォーカー(カリフォルニア大学)著
→今年5月の司法試験3日目の夜、レストランで受験生のグループが、「3時間しか寝てないから今キツイ」「俺なんて、今日2時間しか寝てないから」と話していた。
彼らのように睡眠を軽視する受験生は非常に多い。が、ハッキリ申し上げておこう。徹夜で試験勉強をする、これは致命的な間違いである。
なんと著者は8時間以上の睡眠を推奨しているのだ。
睡眠の効果について知っている受験生は多くないが、受験に必須の知識。一日中ボーっとする人、吐き気に近い眠気を覚える人などは睡眠に問題アリの可能性が高い。本書を薦めたい。
【勉強や作業系の仕事に役立つ脳科学】-成績を下げる落とし穴に気付かずにハマりたくないなら
『2時間の学習効果が消える!やってはいけない脳の習慣』Amazon/楽天
川島隆太(東北大学・DS「脳トレ」監修)/横田晋務(東北大学)著
→以前、勉強中以外の行動が勉強の成果を左右することがあることをお伝えした。本書は、まさにその点を突いた良書である。しかも、誰もがやりがちなこと*5なので、そのような落とし穴について知るだけで他の受験生から一歩リードできる。
21頁の図を見て、皆が持っている緑色のアプリをipadから消した。あのアプリを1時間使うだけで学習効果が10%も失われるとは恐ろしい。
このような良書が、この安さで手に入ることに感謝したい。
『SINGLE TASK 一点集中術』
デボラ・ザック(コーネル大学経営大学院)著
→大学の図書館で自習していると、周りの人たちが机にスマホを置いていたり、勉強中にバイブ音を鳴らしていることがある。
これらは『PEAK PERFORMANCE』でやってはいけないこと、として紹介されていたが、本書ではなぜこれらのことが作業効率に悪影響を及ぼすのかを説明する。
音楽を聴きながら勉強する人、昼食を食べながら勉強する人、お喋りしながらスマホをいじっている人などにもぜひ読んでほしい一冊である。実践すれば、結果が変わることは間違いない。なぜなら彼らは自己の「集中力」を最大限に活かせていないからである。
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